昨日は本当に寝なかった。のたうちまわり続けて、もう今晩は寝てくれないのだろうかと不安になるほどに。

絵本を読んだ。三回くらい。効き目はない。

携帯を与えた。誤作動防止にしておくと、いじくりまわしている間に、飽きて寝てしまうこともある。昨日は効き目なし。

夫婦で寝たふりをした。全然気にしてくれない。

タオルで壁を作ってみた。光を塞ぎ、また彼の行動範囲を狭めるため。いないいないばあ遊びが始まって、大興奮でタオルに体当たり。これは大失敗だった。

開始40分ころ。一応、うつぶせになり寝たように見えたので、私だけそろりとベッドを脱出し、寝室のドアを閉め、リビングへ。

ふぅ。もう一杯焼酎を飲んで、月朝に備えるか。

冷蔵庫から氷を取り出した刹那。

絶叫。

父が一人でいなくなり、しかも閉じ込められたと時間差で気づいた。裏切られたとでも言わんばかりに彼はいたく傷つき泣きわめく。しかし、おぬし寝たはずでは…。ドアを閉じたのは音が漏れないようにしたためなのに。

悪かった、悪かった。彼にも水を飲ませ、機嫌を取る。

が、また目が覚めて、振り出しにもどった。それどころか泣きわめいて、体温が上昇。事態は悪化した感じすらある。
ますます意気盛んにベッドを動き回る息子。

妻はもう後は宜しくと、寝てしまった。万事休すか。

そのとき、何の気無しに、枕元にあったうちわで彼に風を送ってみた。昨日はエアコンがいらない涼しい夜だったが、このうちわの風に、恍惚とした表情を浮かべている。

効いている。まさか。

私はあおいだ。最初はバタバタ自分であおぐ真似をしてまた興奮しかけたが、要はゆっくり優しくあおげばいいのだ。

ずーっと気持ち良さそうだ。明らかに眠くなってきている。よし、ここはじわじわとあおぐ速度を落とそうか。

びゅん。びゅん。とあおぎ方を変えてみた。

げへへ。…笑い出した。このリズムが面白いのか? 全く何がツボかわからん。危ない。

さらに3分。ついに寝転んだ! そのままそよ風攻撃。

寝た。ただし、ベッドの隙間に挟まって、上半身だけがベッドに横たわっている。

ここで、すぐには救い出さない。眠りが深まる前に起きてしまったら、いよいよ徹夜になってしまうからだ。

しばらくして、彼を掘り起こした。熱い。なんという熱さだ。エネルギーの塊。汗びっしょり。洗ったばかりの頭はもう汗くさい。

そして、極上の週末は終わり、私は現実に戻って行った。

金曜からは夏休み!