大和の巡礼(1)大神神社 (おおみわじんじゃ) ~前編~ | 神々の東雲

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わたくしたちの美しい国日本の成立を、記紀や神様のはなしを中心にまとめました。

筆者が本格的に神社の参拝を始めたのはここ数年のことです。

このブログにも何度か書いており恐縮ですが、そもそもが寺院を巡礼しておりました。それも気の向くままに特にポリシーもありませでした。

ですが、ある事に気づいてしまい、その後自主的な仏閣参拝は、祖父と恩師がご縁をいただいている高野山と永平寺を除いてはやめました。


しかし、先日、大事なことに気づきました。

寺院の参拝をやめたきっかけになった薬師寺。
こちらは、天武天皇が奥方の鵜野讃良(うののさらら)皇后(のちの持統天皇)の病気平癒を祈願して建立した寺院だったのでした。勿論、奈良は大好きな場所ですし、特に西ノ京は行きやすい 場所なので何度も参拝しており、歴男で、歴史建造物フェチでしたからそんなことも当然知識として持っておりました。

面白いもので知識というものは、所詮、知識の範疇で留まり、そこを逸脱してそれ以外のことに発展性を齎すには、やはり経験、体験に勝るものはありませんね。
って、こうやって文字にすると当たり前のことなのですが、中々実生活ではきづかないものなのですね。

ということで、つまり、天武天皇。

そうです。記紀の編纂を命じたおかたの命により、筆者も巡礼を寺院から神社にシフトしていくことになりますが、当然、それだけでなく、その直後に、古事記の読み直しを始めることになります。

それ以来の、奈良ということになりましたことを、まず、最初に申し述べさせていただきます。

 

①それでも不思議なきっかけ

実は、この日に大神神社の参拝を予定しておりませんでした。先日の淡路参拝の流れで、大和神社(おおやまとじんじゃ)には行かなくてはならないと予定しておりました(この詳細は別記事)。一方で、大神神社はやはり奥宮(三輪山山頂)まで行かないと。という思いが強く、それは時期もあるし、歩くことは好きですが、山歩きはそれなりの準備もあるしと、それはそれで別に計画を立てておりました。

しかし、どうしたことか、大和神社の前にこちらに参拝しなくていけないという責任感のような重圧に苛まれはじめたのが、8月初旬頃からでした。そこでふっと考え方を変えました。そうなんです。なにも参拝は一回こっきりではありません。伊勢神宮には一年に何度も参拝しておりますし、ましてや、お恥ずかしいながら、大神神社には初めての参拝です。

そこで、そんなに片意地を張らず、そう、体験に勝る知識はないこと気づいたばかりでしたので、ここはまず、ご挨拶に伺わなくてはという気持ちになり、この大神神社から始めるコースとなりました。


②大物主神さま

ご存知通り神話に登場なさる神様のなかでもとても不思議なかたの中のおひとかたです。

ただ、筆者が勝手に考えていることに、「大物」という言葉があります。『その方面で大きな勢力・影響力をもっている人物。また、器量の大きい、すぐれた人物』の語源は大物主神さまなのだと… そう考えれば解決するのだと思います。

なので、わたくしは大物主さまイコール大国主さまとは考えておりません。
現時点では… (色々学びの過程で変わってまいりますので…)
 


③ということで、今回は、狭井神社(奥宮への山道入口がある摂社)までの行程を考えました。

ところが、ところがですよ、ここでちょっと大きな事情があり、8月末になってこの選択は正しいことだったということが現実問題として現れたのです。

人生というのは不思議なものです。決めたら変わるのです。そのように直接わたくしに教えてくださったかたもいますし、またアメブロなどでもそういう視点で書いている記事もたくさん読みますが、やはり自分自身に(最近はずっと...)現実に現れるとわたくし如きはやはり動揺します。

あ、この話はまた別の機会に...
 


このように色々な条件と使命、さらには気づきが重なって、まず、大神神社に参拝することになりました。

大阪の天王寺でレンタカーを借りて約1時間後に、久々に訪れた大和の地に到着しました。
 



大神神社
所在地  奈良県桜井市三輪1422
主祭神  大物主大神
神体  三輪山(神体山)
社格等 式内社(名神大)
            大和国一宮
            二十二社(中七社)
            旧官幣大社
            別表神社
創建不詳(有史以前)
本殿の様式    なし
別名   三輪明神・三輪神社

 


初めての場所はやはりどこでも緊張いたします。

こちら大神神社は映像や書物で何度も拝見し、ほとんどイメージは出来上がっておりましたが、やはり本物はまったく違いました。


正直、こんなに人が多いと思いませんでした。


お伊勢さまはともかくも、大概、わたくしが参拝させていただくような神社は、ひとと出会う方が珍しいところが多いのですが、土曜日ということもありまして、駐車場はまだ10時なのに満車の30分待ち。ですが、神社から少し離れた(といったって、お伊勢さまとは違い、たかだか200メートルくらい)ところは空きが多く(しかも無料)、なにより時間が大切なわたくしですから、待つのは大嫌い。したがって手前に入庫し歩きました。
 

※あ、大鳥居は最後にいたしました。
というか、大きな鳥居ですので、ここに到着する随分手前から発見しておりました。

 


ニノ鳥居から参道をしばらく歩きますと、左側にお社がありました。

 


祓戸神社とあります。末社だそうです。
ご祭神は、あ、瀬織津姫さま。
 


名称からして、拝殿で参拝するまえに立ち寄るところでしょうね。
ということで参拝しました。

また暫く参道を行くと、今度は「夫婦岩」がありました。
このあたりは、以前に「神社百景」なのでもみたことがありインプットしておりましたので、ごく自然に参拝。
 



つづいて手水舎。
こちらは存じています。
蛇の形をしています。
大物主さまは白蛇、蛇神さまだという説もありますので...

 



そしていよいよ階段をあがって拝殿へ....

 




立派な拝殿ですが...
あれ??
 

この拝殿の建物はどこかで見覚えが...

 



いや、こちらには初めてなのですが...

あ、わかりました。
どこかの建物によく似ているのです。

次の瞬間に思い出しました。

おやひこさまです

とても拝殿の建物が似ています。
いや、弥彦神社が似ている、似せたのでしょうか??

そういえばおやひこさまもご神体は後ろの山です。
ただ、弥彦神社の方が横に大きいですし、拝殿のある境内もずっと大きくご神体である山との一体感があります。

筆者は神社建築様式には大変疎いので、これを機会にきちんと学習しないといけないと思いましたが...

 



さて、まずは参拝ですが、その参拝のときに、ひとつ迷いが...


拍手の数です。



無論、一般的には二拍なのですが、「弥彦神社」に似ていると思ったことと、最近、よく聞くのが、「天津神は二拍、国津神は四拍」という説。
これが正しいか否かではなく、大物主神さまは天津神ではないことははっきりしているのですが、ならば、国津神さまと言ってよいのかどうかという妙な迷いが...

いや、こんなことで、後ろにお並びのかたを待たせる訳には参りませんので、ごく普通に...

ですが、自身の中には大きな課題が残りました。

この話を始めると長くなるので、これも別の記事にいたしますが、そもそも「二礼二拍一礼」が本当に正しいのかは多くの疑問があります。大事な話なので、ここではその程度にさせて頂きます。
そんな、本質を大事な参拝の際に気づかされるというのは、大物主命さまのおはからいなのでしょうか??



やはり参拝は、神様と会話ができるかたとご一緒するのが一番良いのですが...

ですが、筆者にとってはこれは大いなる課題。


正式参拝させて頂こうか思案しましたが、この日はそういう方々が多かったのと、本日は奥宮にもいきませんので、正式参拝なしでということにさせて頂きました。



「巳の神杉」には大極からの光が満ち溢れ降り注いでおりました。

 




大神神社は、自分が想像していたよりもずっと大きくて広い神社でした。



しかし、やはり、この参拝中にどうしても気になってしまうのが、大物主命という神様。



大国主命さまの和魂(にぎみたま)と言われていますが、だとしたらどうして白蛇の姿になって人間界に来られたり、また、祟神天皇の時代にも出てこられたりなど...


筆者は前述のようなイメージだったのですが、根本的になにか大きな間違いを犯している心持ちになりながら境内をだ歩いていました。そして身体に感じたのが、自分の意思を超えた強い力でした。


なにかによって突き動かされている。


そんな感じです。

とても強い力です。


考えてみれば、本日ここに来ることも、なにか強い力で動かされていた。

そんな感じでした。


神社は杜と言われるように、どちらかというとわたくしにとては静寂な体験です。

風や水の音、木々の囁きに耳を澄まし、心を清らかにする。
それがお社であり杜であります。


しかし、顕かに、こちらはいまのところ違います。


身体の中から血潮が全身にみなぎる、そんな感覚でしょうか??


神社参拝でこんな体験はなかったかも。

いや、過去に同じような体験があった気がします。
でも、どこだったか思い出せませんし、あったとしてもこんなに激しくなかったと思います。

そんなことを思いながら、そしてなぜか初めてのお社なのに、境内案内図もなにも見ずに、ただただ、引き寄せられるままに歩いていきました。

そう、この間、写真余り撮影しなく...

それは、思い立ったときだけにしていましたが...


(後編につづきます...)








 

 

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