天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命 (あめにきしくににきしあまつひこひこほのににぎのみこと | 神々の東雲

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わたくしたちの美しい国日本の成立を、記紀や神様のはなしを中心にまとめました。

ニニギノミコトは、日本国の皇室が天より降ってきて地上(葦原中つ国)において国を治めることになった最初の神さまです。

ようするに、高天原と皇室をつないでいる存在であります。

しかし、意外なことに、ニニギノミコトは、ご本人のがどういうお方だったかということに関してはとても明記が少ないかたでもあります。

これだけ重要なポジションにありながら、それはなにゆえなのでしょうか??

 

「天孫降臨」「木花之佐久夜毘売と誓約」と、一見、エピソードが豊富に見えますが、良くお読みくださればお分かりいただけるようにニニギさまご本人のことよりも前者は「天孫降臨」とう一大イベントのこと、そして後者の主役はコノハナサクヤヒメさま姉妹であって、ニニギさまの人となり(いや人でなく神)を「嫉妬深く疑い深い」ことを強調し、それに比べていかに母は偉大で逞しいかを表現しているばかりです。しかもそのこともあって、天津神でありまがらこの地上に於いては寿命をもつこと、それも子々孫々に渡ってという大変不名誉な顛末を招いてしまうことになりました。

 

それが、ニニギノミコトさまなのです。

 

事実、記紀においてもニニギさまは、コノハナサクヤヒメさまの出産のあと、まったく登場しなくなってしまいました。

 

あ、失礼しました。その解明は後述するとして、まずは神様データを...

神名

『古事記』では「天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命」、「天邇岐志」、「国邇岐志」、「天日高日子」

『日本書紀』では「天饒石国饒石天津彦火瓊瓊杵尊」、「天津日高彦瓊瓊杵尊」、「彦火瓊瓊杵」、「火瓊瓊杵」

一般には「瓊瓊杵尊」や「瓊々杵尊」、「邇邇芸命(ににぎのみこと)」と書かれる。

 

系譜

父神 天忍穂耳尊

母神 栲幡千千姫命(萬幡豊秋津師比売命)

祖父神 父の母が天照大御神、母の父が高御産巣日神。

兄神 天火明命(あめのほあかり)

 

妻と子

妻 木花之佐久夜毘売

子 火照命(海幸彦)、火闌降命(火須勢理命)、彦火火出見尊(山幸彦)

 

 

信仰

農業の神

高千穂神社(宮崎県西臼杵郡高千穂町)

霧島岑神社(宮崎県小林市)

霧島神宮(鹿児島県霧島市)

新田神社(鹿児島県薩摩川内市)

築土神社(東京都千代田区)

射水神社(富山県高岡市)

など

天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命とは、

「アメニギシクニニギシ」(天にぎし国にぎし)は「天にも地にも親和的である」の意

「アマツヒコ」(天津日高)は神をたたえる美称であり、高天原と関わる神であることを示す

「ヒコ」(日子)は日神である天照大御神の嫡流の男子であることを示す

「ニニギ」は稲穂がにぎにぎしく成熟することの意

「ニニギ」は「ニギニギしい」の意で、「にぎやか」と同語源

で、このお名前からも、天津神でありながら、地上の繁栄(稲作の発展、推進)を願われているということがよくわかります。

 

 

さて、前述した、ニニギさまの謎に関してなのでですが、これ以外にもニニギさまを取り巻くまわりの環境にはいろいろなものがあります。

 

その代表的なものが

・三つの神勅

・三種の神器

です。

 

このふたつは、書き出すとまたなが~くなってしまうので、また別の機会に総括させていただきたいと思いますが、託されたことは意義のあることで大変なことなのだと思し召しください。

 

ニニギさまの神話における役割は

①天から降りてこられ皇室の祖先神になった

②神であったが人間と同じように寿命がきまった

③稲作によって国の繁栄を願う最初の神名を持たれてその象徴になられた

つまり、人間ではありますが、出自は高天原の天津神の系譜にあるというのが現在の皇室であることを後々にきちんと繋ぐ役割にあったのがニニギさまであるということなんです。

 

そしてそのことに実はニニギさま以上に貢献されたのが、コノハナサクヤヒメさまなんです。

コノハナサクヤヒメは、三人の御子を火中でお産みになられて天津神の子孫だと証明されましたが、人間(国津神)であるご自身も母生きていらっしゃいます。筆者が興味深いのは寧ろこっちなのです。
 

さらに、子孫の神武東征につながっておられますが、ニニギさまは稲作の普及によってそれがなされることをご自身の名前に託されて降臨されてこられました。

 

わたくしたちの国、日本の原型を天の国と繋ぐ重要な役割。

ニニギさまはその存在だけで十分なのであります。