「海狸」とは何ぞや?文字の雰囲気からラッコと勘違いされそうだが、これビーバーの和名である。
こちらに来るまで、僕の中でのビーバーはというと、北米で最もポピュラーでメジャーな動物であった。しかし、実際に住んでみて、身近でお目にかかることはまずない。ひょっとすると、もっと山奥の湖畔とかには沢山いて、彼等なりのコミュニティーを築いているのかも知れないが・・・少なくともバンクーバー近郊で普通に社会生活を送っていて、おいそれと会える代物ではない。
街でもリスやアライグマやスカンクには遭遇するというのに・・・
海でならアザラシやオットセイでさえ目にすることができるというのに・・・
子犬のような円らな瞳、小熊のような太く丸い尾、鼠のような鋭い前歯、目の当たりにすることがない分、僕の中でビーバーに対するイメージは膨らむばかりであった。(多分、こんな感じ)
そして今日、ビーバー目撃談のある湖へと、彼等を尋ねることとしたのだ。その名も’Beaver Lake'。僕のいきつけスタンレーパーク内に位置する小柄な湖。文字通りビーバーの1匹や2匹居てもおかしくはないのだが・・・
冬から春へ、まだ少しばかり肌寒いものの空気の色はますます鮮やかに。空が、海の青が、木々の緑が、以前来た時より幾分濃くなっているように感じられた。
広い空には吸い込まれそうに小さな水上飛行機。波打ち際には誰かが残した淡い想い。
桜、タンポポ、様々な「春色」が五感を擽り、僕を夢の世界へといざなう。こうして歩いていると、まるで不思議の国に迷い込んだような錯覚に落ちていってしまう。
そうして到着したビーバーレイク。他に人影も無く、滑らかな湖面が、よく磨きこんだ鏡のように周りの木々を映しこんでいた。
目指すビーバー家はどこなのか?後でわかったことだが、どーもこんな子(下図参照↓)らしい・・・ま、言われてみれば確かにそうだ。
湖畔には名も知らぬ水生植物が繁茂していた。未だ夢から覚めない僕の好奇心は、そうした全てのものに反応してしまう。
そこには、もはや時という概念さえもない。
しばらくの間・・・どれほどの時間そこに居たのか定かではないのだが・・・探索を続けた僕であったが、結局ビーバーの尻尾を掴むことは叶わなかった。
「そろそろ引き上げるとすっかーーー」
大したショックもなく、森を横断して帰ろうと湖畔を半周ほどした時のこと。
「ん????」、「こっ、これはっ???!!!」
下の写真をよーく見てみてもらうとわかるのだが、どちらも、人的に切り倒したとは思えない痕跡ではないか!まるで、野生動物がガシガシ齧り倒したかのような!
〔痕跡1〕
これがビーバーの手によるものかどうか・・・僕は、動物学者でもましてやムツゴロウさんでもないので、今のところ真偽の程は全くもってわからない。
ただこれを見つけたことによって、少なくともしばらくの間、新たな楽しみを確保できたことだけは確かだ。
僕としては、これらの痕跡が示すものが、ビーバーというより、新種の生物とか恐竜の生き残りとか(ネッシーみたいな)だったらどんなに良いかと思わずにはいられない。
今度は深夜にこっそり忍んでみよう。なんたって野生動物の多くは夜行性なのだから!
こういうのってワクワクだなあーーー
やばいな、最近、何かにつけてワクワクせずにいられない。歳かな![]()












