君はなぜフィリップ翁に受けたかと言う、メイルがさっそくあった。

食いっぷり、酔いっぷり、オシャべり、イタリア民謡好き、
とあった。

自分のことは意外に知らないのだ。
しかしイタリア民謡以外、納得できないのだ。だいたい食いっぷりも、
酔いっぷりも、オシャべりぶ りも単に普通のレベルと思っているもの。

昔々、婚約すると両親に話をしたら、お袋は、マジで?と疑い、
あんなの嘘よぉ~!後日相手の方はどこが良いと思ったのかしらとオヤジに問いかけたそうな。
オヤジ、少し考えて、「面白いとこしか思いつかん!」
と答えたそうな。

別にオイちゃんがとりわけ面白いわけでもない、普通な市井の人だと自認している。まぁたしかにヘソは曲がっている。その辺は許容範囲でありましょうよ。
しかし結局婚約は破算だった。ホロホロ。シクシク。別に・・・

お袋、「言った通り!結婚なんてできるわけナイですよ、
あんなのはねぇ!」
オヤジ、「グァハハハハハ。そうだなぁ」
お袋、「あなたの子供ですからねぇ」
オヤジ、「・・・・・・・」
だったらしい。

み~んなぁ、自分のことは分からない。自分用の棚をお持ちでありまする。
そうかぁ、食いっぷりエエのか。グァハハハハハ。

雨の午後、コーヒー片手にスラスラと。