この日は、食べログ嫌いの店主の営む蕎麦屋さんに行ってきました。

新橋駅烏森口から第一京浜を南下、環状2号線(日比谷神社のところ)を越して、新橋5丁目の交差点角の2階です。

実は全日6時過ぎにお邪魔したのですが、臨時休業となっており別の新橋のお店で蕎麦前からやったので、2夜連続となりました。

予め食べログとお店のHPを拝見していたので、どんな偏固な親父さんがやってるかと思えば、話の分かるまっすぐな人だとすぐわかりました。

過去のいきさつはどうあれ、「CP上、東京一美味しい十割蕎麦と自負」と書いたのが仇となった様で、低俗なブロガー気取りに攻撃された事が、アンチとなった由縁の様です。

小生は、今でこそ毎日の様に書いてますが、かれこれ実質的には3年程書くのを止めてました。理由は敢えて書きませんが、古い知り合いを除くと新しいブロガー方の質が落ちていて、FBの影響でしょうかいいねを求めたり、店の宣伝に使おうとか、変な輩が多いのは事実です。而して、自分のBMは増えるものの、新しい記事は非公開の内に留め、またBMも同様に非公開にしております。

今回は、店主の意向に沿ってブログでのみ公開とするため、アメーバに書いてリンク先を張ることにした次第です。

さて、第一京浜に面したビルを2階に上がると二人掛けと四人掛けにしつらえたテーブルが、道路側に配置され、ビルの内側に向かって厨房があります。夜は蕎麦のみの営業ではない為、お酒を飲みますかと店主に聞かれ勿論と答えて窓際の二人掛けに案内されます。一応、写真を撮りたい由、申し入れ食べログには掲載しないと断って記録にとらせてもらいました。

先ず、写楽の純米と出汁巻と鯛ちくわを頼みましたが、生憎鯛ちくわは品切れで、代わりに笹かまならあるというので、それでお願いしました。写楽純米はすっきりと冷えておりお酒の種類も結構マニアックなおんな泣かせなど、小生好みの冷ですっきりキレのいい銘柄が揃っています。

程なく出来上がってきた出汁巻は、正直、見栄えは良くないもののふっくら、しっとりと仕上がっており、いいお味です。少し出汁の量が多めなのか、ほろほろ感があります。
つづいて、出された笹かまは、一つは中にチーズの挟まったもの、もう一つはノーマルのものが出てきました。そのままで一口づつ、山葵醤油でもう一口づつ頂きました。

酒は、東洋美人純米吟醸を頂いて、せいろの前にもう一つ摘みを所望します。

たまたま、同日入った北海道産のアスパラがあるというので、お願いしました。

常連さんがお一人お見えになって摘みを頼まれたので、繋ぎに鳳凰美田純米大吟醸山田錦五搗きをいただきます。

青々として少し太めのアスパラは、流石に北海道産の直送と見えて甘みが違います。多少残念だったのは、根元に合わせて茹でられた故、穂先の部分が少し柔らかめでした点。

〆の蕎麦は、当店自慢の蝦夷鹿せいろをお願いし、汁の具合も試したかったので、せいろの蕎麦汁を別にお願いしました。

蕎麦ざるに盛られたせいろは、若干平らな切りくちですが、ほど良い長さでしっかりとつながっています。水蕎麦で頂くと締め具合も良く香りも上々で、ほんのりと甘みが感じられます。十割りにしては見た目より蕎麦肌が滑らかで、しっかりしています。口触りが滑らかなところなどは、店主自信の程に納得させられます。十割りは機械打ちなら結構有りますが、手打ちでここまでやるのは大変でしょう。

蕎麦汁は、過不足なく節の香りと出汁の感じも程よい感じで好みです。出汁を取った後のかつ節と昆布の生ふりかけを、お土産にもらえます。

蕎麦湯も変に作りこむ必要がありませんね。造作のない自然なもので滑らかにせいろ汁と馴染んで行きます。

蝦夷鹿の温汁の方はと言えば、蝦夷鹿の肉は、粉でも纏っている様な如く、脂肪分が肉肌をコーティングしていて、温汁を程よく含んだもので、淡白な味の中に旨味が詰まっています。温汁の葱と鹿肉のバランスも良く、鴨肉などに比べるても肉が出しゃばらないだけに数段いい取り合わせですね。つゆが穏やかなので、蕎麦の香りも邪魔しません。

全体的には、店主の拘りと北海道産に傾けた情熱が、優しく具現化された蕎麦と言えます。

正直、蕎麦前として見ると完成度はまだまだ上があると思いますが、真摯な仕事とひたむきさは未完の部分を補って余りあると思います。

最後に貴をもらって、4杯4品で6540円。日本酒ぞろえの趣味と蕎麦の出来は良いので、会社から少し遠いですがまた来たいと思いました。

まだ、頂いてない品もたくさんありますから、次の機会にご報告させて頂きたいと思います。