もう充分働いた。

定年の年齢は延長されるけど、役職定年の年に辞めようか、どうしようかと悩んでいる今。

買い物に出かけた昼下がり、ヒルトングランドバケーションズの営業の女性に声をかけられた。


定年後のヒルトンのタイムシェア。

優雅である。


ウマい話に乗ったのが運の尽き。

説明を聞きに行くだけで、ハワイのホテル3泊分をプレゼントしてくれると言う。オアフ島かハワイ島で選べるらしい。


コロナ禍で何年も旅行にも行けてない。

そろそろ海外旅行も解禁となり、飛行機代だけでハワイ旅行もイイな。

きっと、タイムシェアの物件に泊まらせて、充実した時間を過ごした後に契約する人も多いのだろうか、などと少し期待した。

ただし、平日の日中の説明会に参加するのが条件だという。

たまには休んでもイイよね、などと思い、ダディと午後から年休をとり、説明会へ。


受付を済ませて待合ロビーにいると、なんだか胡散臭いアロハを着た営業マンらしき男性に彼のオフィスと思しきブースに案内された。


説明を聞くも、全てはドル建ての契約なので、今の超円安の時期に契約するのは愚の骨頂。

なんとなく、今の時期はどーよ、みたいな雰囲気になると、その営業マンは、「じゃあ今日は雑談にしましょう」なんてことを言い出し、私たちにビデオを見せている間、彼は席を外し、ビデオが終わる頃に戻ってくると、「この商品の良いところはクレジットカードを使えるところです」みたいなことを言い出した。

「車でもクレジットカードで買えないでしょ。だけど、この商品はクレジットカードも使えるのでポイントも大きくつくんです。」と。

「クレジットカードが使える車もありますけどね」って言うと

「まあ、私もフェラーリをダイナースのプレミアムカードで買いましたけどね。4200万円でしたが」とのたまい、スマホの自分の愛車の写真を見せる。

挙句は、

「家でもタマホームは、クレジットカードが使えると聞きましたが、家をクレジットカードで買える人は、そもそもタマホームなんか選ばないでしょうけど」

こうなると、彼が何を勧めようとしてるのか、わからなくなって来た。

恐らく、私たちに購入の見込みがないと踏んだ彼は、自分の自慢の時間にこの説明会の時間を費やすことを決めたのだ。要は、私たちは彼の暇つぶしである。


ここまであからさまに自慢話を朗々と語る、この成り上がりオトコの話も半ば面白くなって来て、「へーーー!」と大仰に反応しながら聞いてやった。

そして、

「1週間以内に購入を決めるのなら、他のセールスには出来ない数のポイントを付けて差し上げますよ。ま、購入なさるなら連絡ください」

と言い放ち、

「この後、ギフトの説明を別の担当からお話ししますので、別室へどうぞ」

と、そそくさと彼のブースから私たちを追い出して、今度は女性スタッフに連れられて別室へ。

こうなったら、ハワイのホテルの宿泊ギフトをもらってから帰ろうと思って説明を聞いていると、なんとそのホテルはタイムシェアのホテルではなく、ダブルツリークラス。しかも、超スタンダードルームなので、3日くらいなら、ちっともお得感もない。話の中で、ハワイのホテルの宿泊もしくは国内ホテルのクーポン2万円分って話が出たので、コレは国内ホテルのクーポンの方がベターじゃない?と思わず言った途端、ハワイのホテル宿泊権登録をしたその番号を彼女はちゃっちゃと控えて、その後も長々と別の営業話を聞かされ、最後は体よく「是非ご検討ください」と言われて、アホのアタシは何もゲットすることなくオフィスを出てしまったのである。


んんん?コレって、一体、何を得たの?駐車料とアタシの貴重な年休はどこで報われるのか??


ちょっと話が違うんじゃない?


後日、もらった名刺に書いてあったメルアドに、問い合わせのメールを送った。

もちろん、1週間経ってもナシのツブテである。


やられたよー。

仕事中に電話する時間も気力もないし、そもそも毎日、仕事が終わったら21時前だから、先方の電話も繋がらない。土日もつながらない。

そして、極め付けは、メールしても完全無視。


ヒルトンとは名ばかりの、一流の三流企業でした。