全員とは言わない。
しかし、
「オレは男だ!」
と肩で風をきりながら大股で歩くオトコの大半は…
残念ながら哀れなほどに
「アホ」である。
一時期、今のウチの管理職世代が若かりし頃、スパルタ社員研修に参加するのがブームの時期があった。そこが管理職の登竜門と言われたコトもあり、志願して行く者もあれば、一本釣りで半ば強制的に行かされる者もいた。
当時、基本的に女子に参加を促す声はかからなかったのだが、女子部門の先陣を切るよう打診されたアタシは、基本めんどくさいことが嫌いなのと上からモノを言われるのが嫌い。
挙句、怒鳴ったり、がなったり、軍隊まがいのそのノリにどうしても賛同できず、体験することなく批判するのはイヤだったけれど、その「男の美学」がプンプン鼻につく「愚」を追求するクサさを受け入れることはできなかった。
あれから20年ほど経つが、いまだにあの研修は存在している。
そして、先日、各部署の管理職が集まる定期ミーティングで、アホが口火を切った。
「例の研修を受けた方!
ご起立願います!」
その場で突然のたまい、そして同志を立たせて、
「あの研修を受けたときの気持ちを思い出してください!
辛く苦しかったあの研修で学んだことを!
皆さんなら、リーダーとして若手を引っ張って行ける!」
みたいな話。
シラケるなんてもんじゃなかった。
「おー、スバラシー!」
と言って盛り上げる「アホ2」もいたりするもんだから、ノリはもう止まらない。
「改革していくんだ!」
「我々には出来る!」
みたいな。
とんでもなく本人は熱く語っていたが、
オイオイ。
ここには色んな人が集まってるんだわ。
アンタの「お友達」だけと違うよ。
色んな国の人間が集まり、世界的な共通課題を話し合っている席で、ひとり盛り上がったアホが、
「日本人の皆さん!ご起立ください!」
と叫び、
「我々は戦後の焼け野原を生き抜き、
今の日本を作り上げた!
戦後を乗り越えた我々ならば、今の苦境を必ず乗り越えることができる!」
と各国から出てきている人たちの前で、日本人だけを称え、ほかの出席者をそっちのけで日本人だけのプチ決起大会をやるよーなもんである。
同志と肩を叩き合い、人前で互いを褒め称える。
ええやん、ええやん。
やったらええねん。
だだし、それ、あんたの「お友達」といる時だけにしてくれるか?
本人には、この「ケッタイ感」というか、
どれだけ異様な雰囲気を醸し出し、
時代錯誤の軍隊感を撒き散らして、
誇り、互いを称賛し合うマヌケな様子が
どれほど滑稽か、わからないのだろう。
恐らく、どんなに丁寧に説明してあげても、コイツ以外の人間が感じているであろう違和感はコイツには伝わらない。
シラケた顔で座り続けている、ほかの管理職の深いため息は、一生かかっても奴には届かない。
ミーティングが終わり、やり手の女性管理職がアタシを見るなり、美しい顔を歪めて
「キショクワルかったですね」
と吐き捨てるように言った。
うん。キショクワルかった。
しかも、若いヒト達ならいざ知らず、オッサンのキズナとか忠誠とか連帯感って、ホンマにキショクワルい。
なんか臭そうやし。
アンタらも、バブルの負の遺産やわ。
恥を知れ。