ねあ 「クラッシュ、クラック、クランク」(2019)
■全体
■中央
■左右
■展示
*
クラッシュ、クラック、クランク
揺らぎとズレの裂け目が開く。
幻覚のからだが飲み込まれ、
踊、る苦痛と、踊らされる快楽とが、
膝を突き合わせて、微笑み合う。
やがてその足元も、見えなくなって、
上がる体温と鎮まる呼吸が、ゼロの位置で出会った途端に浮遊する。
中空に現れるゼンマイと、それに付き従って前進する落、胆。
割れた爪。ふやける背骨。焦げた肺。
塗りつぶされ、こわれてゆくペースはゆっくりで、
喪えば喪うほど、
ほら、
存在は、じっとり濃くなっていく。
*
*
緘黙の輝き カラメルのごとく
倦怠の恍惚 絹織のごとく
閑室にて 呼吸をぐずる身体をなだめる
舌を乞う指が 喉をつらぬいて
かき回す
引きずり出す
*
*
愛しいものには輪郭を
見下げるものを
手かざすものを
踏み躙るものを
与えて
まるで 天蓋のような甘い瞳のうちで
ひっそりと 爛れるほどに