輪郭とは。

線で、
境界で、
区切りで、

それを認識する直前、何を捕えているのか。

言葉か。

言葉で意味を捉えた途端、それは全体から分離され、
かたちになるのか。

どうして、「私」と発語しなければならなかったのか。



絶対に思い出せはしないだろうけど、
よく、初めて自分の名前を伝えられた頃の事を、
想像してみたりする。

「あなたの名前は○○なのよ」

驚きだっただろうか。
喜びだっただろうか。
絶望だっただろうか。

イメージするのはブラックホール。
凝縮。
落下(というか上昇というか)。
浮遊。
その後安定して留まる。



―――ああ、そうか。
やっぱりもう、出られないのか。