良   「それじゃお先しまーす。」

多摩子 「良君、娘の事考えてみてよね。」

良   「はあ・・・かっ、考えて見ます。」

(歩く良。)

良   「大変な事になっちゃったなあ!僕は奈々子先輩に憧れていて、だけど何もいえないでいる。」

良   「多摩子さんは娘と付き合えというし、奈々子先輩は『付き合ってみたら?』と言う。複雑だなあ!」

(突然、良の携帯電話に着信)『プルルル・・・』

良   「080・・・誰だろう?」

良   「・・・もしもし!」

ヒカル 「あれっ?君、ダレ?よしえじゃないの?」

良   「よ・し・え?」

ヒカル 「今日、変なのよねエ。さっきはね、防衛庁に繋がっちゃったんだよー!何でエ?」

良  「 えーっ、僕に聞かれても分からないですけど・・・」

ヒカル  「どうでもいいけれどね。ところで君、今何処?」

良  「はあ?神南辺りですけれど・・・」

ヒカル  「えーっ、近いじゃない!少し付き合ってくれない?アッ、新手のキャッチセールスなんかじゃない 

       わよ。心配しないで!」

ヒカル  「悪い奴に追われているの!」

良   「悪い奴?」

ヒカル  「お願い、助けて!」

良    「どっ、どうしたらいいの?」

ヒカル  「近くに青い森公園あるでしょう?一時間後そこの噴水の前で待っていて!私、ヒカル!貴方    は?」

良   「りょう!良い、悪いの・・・」

ヒカル  「良君ね。アッ、やばい!・・・・・・・」

良   「 もしもーし、もしもーし・・・切れちゃった。」

良   「あの声、どこかで聞いたことがあるような・・・・・。でも、誰に追われているのだろう。」   

 

公園のベンチで一人きり、『クリスマスイヴ』を堪能するには充分すぎるほどの冷たい星が煌めいています。都会でこんなに星が見えるなんて不思議なことが有るものです。あれから二時間、もう八時。

良  「騙されたのかなあー!」

『ガサガサ!』

ヒカル  「・・・良君?」

後ろを振り向くと、暗い電灯に照らされたタイガース帽と黒縁メガネが現れました。

ヒカル  「早く早く!」

良    「そ、そんなに強く引っ張ると手が痛いですって。ちょっと待って・・・」

ヒカル  「シッ、その木の影に隠れて!」

(タタタタッ)走ってくる靴音

男A   「 はーはーはー!」

男A 「ほんまに何処行きよったんやろ!」

(タタタタッ)遠ざかる・・・

ヒカル  「ふう、助かったあ!」

良    「あのー。」

ヒカル  「アッ、手握ったままだったよね。ごめんね!」

良    「一体どうしたと言うんですか?」

ヒカル  「今のが悪い奴!私みたいに可愛い娘をたぶらかして旨い汁を吸っている吸血鬼!」

良    「吸血鬼?」

ヒカル  「フフフッ。」

ヒカル  「アッ、そうだ!君の家に行こう。ここに居るより安全そう!」

良   「エーッ、僕のアパートですか?」

ヒカル  「見た感じ、君は危険なさそうだし。早く行こう!」

良    「えーっ・」

アパートまで30分。僕たちは見えない影に怯えながら無言で歩きました。でも彼女は楽しそうだったんです。何か変だなと思いつつも狭い小路をぬけ、やがて2階建ての安アパートに着きました。

大家さん 「良君!」

良 「わっ!ビックリしたあ。」

大家さん 「びっくりコケタのはこっちじゃわい!」

良    「どっ、どうしたんですか?」

大家さん  「約束の家賃、今日までなんじゃがね。ずっと、待っておったんじゃ。おーうおう、彼女とデートか

         ね。家賃も払わずに。ほほほっ。」

良    「月末、必ずもって行きますから、それまで待ってください。失礼します。」

大家さん 「あらら、行ってしまったワイ。近頃の若いやつは、うらやましいワイ!」

(電気をつける音) 『カチッ』

ヒカル   「ワーッ、汚い部屋ねえ!」

良     「ほっといて下さい。」

ヒカル  「アーッ!」

良    「ワッ、今度は何ですか!」

ヒカル  「壁のポスター、これ私・・・。」

良    「えっ?」 ・・・  話は急展開!第5回お楽しみに!