ALICE IN WORLD END / orchestral the ambient carnival U

記事タイトルは文字数オーバーしてしまったので不本意ながらバンド名略しましたすみません。
主観と独断と偏見にまみれた長文なのでご注意ください。

これです



金平糖みたいなアルバム。だと思った。
可愛くてカラフルで、その一つ一つは小さな粒でしかなくて、舌の上にのせると少しチクチクするけど、口に入れるとあっという間に溶ける。安くて儚い砂糖菓子。
誰もがその味を知っていて、なのに案外どこにでも売っているものでもない。
何年間もずっと食べてないはずなのに、目にして、口にすると、いとも簡単に「ああこれこれ、この味知ってる。懐かしい」って感情が沸くような、そういうアルバムだなあとか。


バンド名を見て、アートワークを見て、試聴して、曲名一覧を見て、あーこれ絶対好きなやつだわーってことで衝動買いしたんだけれど、ものすごく想像通りで、それでいて想像よりもずっとずっとよかったので困ってしまっている。

バロック、アヤビエ、Dolly、Fatima、るう゛ぃえ、華族、MASK、Vogus Image、イロクイ。あとはプラのパペショ辺りが好きな人は、好きなんじゃないかなーと。
私が一番好きなV系は、完全にイメージだけで言うと、00年代のものなんだけれど、まさにそういう空気感。
それでもって音は割とシューゲイズとか、ノイズミュージック、アンビエント系。
この、ありそうでなかった組み合わせがすっごく良くて!
あ、私がどっちも好きなのが大きいのかもしれませんが…笑

でも、V系はシューゲイズ寄りの音とか滅多にないし、あっても90年代の名古屋系や暗黒系からの流れのザ・手刀盤(アンミュレとかMUNIMUNI、DISHみたいなね)、もしくはV系と呼べるのかどうか微妙なバンド(dummy-xDとかDIMM的なポジションの)くらいしかなかったと思うんで。少なくとも私が知る限りでは。
だから、00年代V系とシューゲイズか~これはこれは!!って思ったんですけども。
でも、これ聴いてて思ったんだけどね、00年代あたりのV系バンドってよくボーカルにエフェクトかけてるよなあって。元々聴き取りにくい声にエフェクトかけて、やかましいギター鳴らして、って、よく考えたらシューゲイズと近しくは...ないだろうか...
少なくとも、親和性はある気するよね。




my bloody 32th summer day
再生ボタン押して一音目でもう崩れ落ちる笑
シューゲイズ!!!
ありきたりな言葉になってしまうけど、とてもドリーミーで浮遊感のある音で、歌詞が殆どわからなくて、もう導入からこれかーーー。もーーーーーーーーーー、好きです(真顔)。
ただ綺麗なだけじゃなくって、少し不協和音めいてるのが不思議な感じして好き。歌メロの情緒不安定な感じとか、不快じゃない不協和音っていうのは、この後の曲殆どに言えることでも。
これは完全に邪推ですが、ジャケットがあのピンク色で、一曲目からこの音で「my bloody」っていうのは、マイブラへのオマージュ的ななにかですかね。


diethyl ether
なんということでしょう、好きすぎる(真顔)。
可愛いギターで始まるから、可愛い曲だ!と思ったのも束の間、「結論、祈りは届かなかったから」で始まる歌詞に項垂れた。
このアルバム全曲歌詞がすっごくいいんだけど、特に特にすごく歌詞がいい曲。
曲は一曲目とは打って変わって王道のおしゃれ系の歌モノ。だめだ、言葉に出来ない笑
可愛らしいメロディーにのった、ぞっとするくらい残酷な歌詞が素敵なんだけど、最後の最後のフレーズにいつも不覚にも泣きそうになってしまう。
曲も歌詞も全体的に、上手く生きれない不器用さに包まれていて、はー、すっごく好きです。このアルバムの中でもとっても好き。はー、好き。
最後のサビではもるところすら、綺麗ではなくて、不器用で、でもそういう普通ならマイナスになってしまいそうなとこすら不恰好で愛おしいというか、もうなんだこれー。


教会線、ウィンターガーデン
ぎゅいんぎゅいんギター始まりにあざとさを感じつつも、それがいい(断言)。
アップテンポでとっても可愛らしい曲。曲調もメロディーも明るいのに、歌詞が痛々しい。
って言ったらもう大体、想像ついてしまいそうだけど。王道というか、はい、そんな感じ。
これもね、歌詞がいいです。両想いだけど苦しくて切ない恋心。
ぎゅいんぎゅいん轟音のクロアさんのギターと、アンビエントでふわふわしてるmigiiさんのギターの個性の違いが特に際立ってる曲、な気も…する。アウトロとか特に。


昇華
ひたすらにポップ。
いい曲揃いのこのアルバムの中では存在感地味目かも。
他の曲と比べると明るいようにも思えるけど、少し陰があるのがいい。あとギターソロもかっこいい。


プロトタイプグラマラスベイビー
もうさ、あれです。わかるでしょ!ほらあれだよ!!って感じの笑、
えげつなさが透けて見えるようなジャジーな歌謡ロックです。ミドルテンポのやつ。思わず手拍子したくなってしまうあれ。
かっこいいです。
歌詞の内容は、型に嵌るだけの似非ロックスターへの皮肉で充ち満ちていて、そういう、同じ音楽シーンにいる誰かへのあからさまな皮肉を歌謡曲メロに載せて、っていうのが。まさに00年代V系って感じで、いいよねー(誰)。
タイトルの「プロトタイプグラマラスベイビー」もそういう人たちのこと。
各パートの音がぴたっと揃ってるんじゃなく、ちぐはぐな印象を受けるのもなんかいい。
あと、逆ダイしたいです笑。


ワールドエンドガールフレンド
タイトルの字面は似てるけどプロトタイプグラマラスベイビーとは対照的な曲。
全体を漂う空間系ギターのサウンドに、エフェクトかけまくって現実感に乏しいボーカル。
っていうか、この曲全体がエフェクト…靄や霧に終始覆われてる感じ。
バラードらしいバラード。
他に比べてサビのメロディーが頭に残りやすい、かも。
聴いてると眠くなるし、眠ってるような錯覚を覚えることも。


garbage idol sideup
プロトタイプグラマラスベイビーのジャジーな歌謡ロックの雰囲気を引き継ぎつつ、もっとあげあげでキャッチーでライブ映えしそうな盛り上がりそうな曲。
こっちはさっきとは逆の視点というか。アイドルの歌なんだけれど、アイドル目線から、プロトタイプのキワモノを演じている自分を、薄っぺらいゴミだって自虐している、という。
アイドル願望がなくっても、頭が弱い自覚がある女の子なら身につまされて痛いんじゃないかなーこの歌詞、と思うのはまさしく私が頭弱い女の子(自分で女の子っていうのあれだけど)に他ならないからです。はい。
なんかもう全体的に全部が全部あざとい!!!!!!!好き!!!!!!!!
一番キャッチーでわかりやすいかっこよさで、いかにもV系って感じの曲なので、これをタイトル曲としてシングルが出ててもおかしくないなー。とか思ってたら、これ元々シングル曲なんですね。まあそうですよね、と。かっこいいよん。


スターゲイザー
初聴きのとき一番耳に残った曲。
一回目からサビのメロディーがコッテコテで吐きそうになった(めちゃくちゃ褒めてる)。
アップテンポで終始切なさが蔓延してる感じの歌モノ。ほら、みんな好きなやつです笑
こういう曲、王道だって言われるけど、現存してて他にやるバンドいないんだろうな。
最後の最後の終わり方に一癖も二癖もあるとこ出てていい。


少女性過多における健忘症状 
これはタイトルからしてあざといにも程がある笑
タイトルからイメージされるまんまの曲です。これはもう展開が一癖も二癖もあってイイネ!
あと、歌上手い人が歌ったら台無しになってしまいそうなので、メイドカワさんみたいに歌下手な人(すみません)にしか歌えない歌だよなーと思う、とても。
ノイズと呟き、ピー音からのラストのサビっていう、あざとすぎる展開も何故か食傷気味にならなくて、ああ好きだなあって思うばっかり。
「大好きでした 大好きでした 大好きでこうなっちゃいました」ってところのボーカルが本っ当好きですもう本当。


ラクジツ
ベッドに座りながら聴いてたんだけど、始まった瞬間にベッドに倒れこんだ。
試聴の一番最初にしてるのとか、ジャケットの文字とか考えると、これが一応リード曲的扱いなのかしら。リード曲。
何度も何度も繰り返されるサビのメロディーラインが、耳に残って離れない。
普通だったら、ちょっとしつこい!って不快感につながりかねないけど、もうここまで来たらしつこささえ+要素になってしまうので恐ろしい。
あ、明るくて切なくてポップでキャッチーなやつです。


kiss’in the bathroom
はい好きーーーーーーーー好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好きす……はい。
アルバム全曲好きだけど、その中でも本当にこれが一番!って思うくらい、名曲。
他のバンドには絶対つくれない、出来ない曲だと思ってて。
不思議な曲だなあっていうのが第一印象で。アンビエントで心地よい空気の上に轟音ギターと淡泊なメロディーがのっかってる。曲の最初から最後までどっかしらが不協和音な曲っていうのもそんなにないと思う。
初めて聴いたとき、歌詞カード見てなかったんだけど、一回目のサビの歌詞がびっと入ってきてうっかり泣きかけてしまった。日本人なら誰でも知ってるはずの言葉の並びがこんなに力を持ってしまうんだから、音楽って魔法みたいだね、本当に。
クロアさんとメイドカワさんの共作の歌詞だからか、わかりやすさとわかりにくさが一曲の中に溶け合ってて、すっごく素敵なバランス。曲もそう。わかりやすさとわかりにくさ。
始めの一音から最後の一音まで、なにもかもが不安定なバランスで構成されてるのに、なにもかも完璧で、これ一度も聴かずに死ぬのは本当に勿体ないと思うから、みんなこのアルバム買いなよ笑。


触れた
メイドカワさんが特に命を削ってつくった曲、っていう前情報だけ知っていたのですが、正直第一印象ではものすごく地味でぱっとしなくて、そんなに言うほどの曲?っていうかこれが最後の曲?とまで思ってもやもやしてました。
が、何回かアルバムを通して聴いている内にもう効くわ効くわ、じわじわと笑。
っていうくらいに、聴いている内に後からじわじわじわじわ体内に毒が回ってくるような曲です。それもあって、どこがいいとか、どこが好きとかっていうのがいまいちわかりません。
ただ、なんとも言えず胸を締め付けるような独特な魅力があるのは本当で。
曲の構成自体は多分アルバム内で最もシンプルでわかりやすいんだけれど、なんだろう。
綺麗に誰もが納得する形で終わるんじゃなく、引っかかりというか、人によっては違和感のある終わり方なんじゃないかなって思うのです。でも決して不快な違和感ではなく、むしろ、なにこれ?っていうのが、また一曲目からの再生ボタンを押してしまう原動力でもあるので。
あー胸焼け胸焼け。
一回目のサビ終わった後の、その次からがもう痛々しくて聴いてるの辛いw
なにが言いたいかというと、このアルバムの中毒性に一番貢献してるのはこの曲で、且つこの曲で終わることなんだと思ってねー。独特な余韻の残り方がクセになります。好きです(何度目)。



四六時中聴いてても飽きないアルバム。
万人に受けるものではないと思う。癖者プレイヤーの集まりって感じだし(カミトさんのベースは中では一番変態じゃない、よくいえばまとも)。
少し詰め込みすぎ感すらあるごちゃごちゃした音も展開も、嫌いな人はきっと嫌い。
でも、好きな人は絶対好きよ。
特に、メイドカワさんの声はかなり好き嫌い分かれる!(断言)
メイドカワさんの、これでもかこれでもかってくらい鼻にかかりまくった、且つ情緒不安定すぎる声と歌い方は、生理的に無理って人が沢山いてもおかしくないと思う。
逆に、好きって人にはものすごくクセになる中毒性の強さも秘めてるけど。大好きって人は私です…なんか本当すみません…どうしようもなく好きで辛くなる…シクシク。苦しそうに歌う不器用なボーカルが好きな人はきっと好きだと思う。

あと、もう何度も何度も繰り返すようだけど歌詞がいい。ので、買いましょう笑。
いろんな人に貸したいなーって思うんだけど、所謂、手元に持っていつでも見れるようにしておきたい系歌詞カードなんだいよねー、歌詞自体も、デザインも。だから、これ多分好きだなーって思う人は本当、買った方がいいと思うよ。通販だけじゃなく流通も始まるだとかなんだとからしいですし。

聴いてると、ところどころ息苦しくなって辛くなってしまうのに、気が付いたらまた再生ボタン押しちゃうんだよなあ。謎の中毒性。

あと、アンビエントふわふわ空間系×ぎゅいんぎゅいん轟音シューゲイズ系、っていう組み合わせのツインギターが好きです、とっても。

あとこれも何度も何度も繰り返すようだけど、あざとさがいい。
売るために狙ってやってるんじゃなくって、ああもうこの人たちこういうのが本当に好きで好きでどうしようもなくてやらかしちゃったんだなーーーーーーーっていうのが透けて見える感じがとてもいいです。好きです。
人によっては非難の対象になってしまうのかもしれないけれど、オマージュは、愛を感じるので、とても、素敵だと思う。私は好き。
ライブを見てないからバンド自体にはなんとも言えないけど、少なくともこのアルバムは好き。宝箱に入れて大切にしたくなる感じ。脆くて儚いものは守りたくなる。
大好き。