バカね・・・・・
前から思ってたけどね。
どうしてあんたはいつもそうなの?
真っ直ぐすぎて見れないのよ。
あの頃の私達を誰が覚えていてくれるんだろう?
私を忘れて、誰かと笑ってるなんて・・・。
でも、きっと思い出したって、ダメね。
私を知るのはこれからだったもの・・・私が君を忘れるには遅くはないもの。
記憶が戻っても、私達はきっとこれ以上は進まない関係なんだよね?
こうなる運命だった。
そうとしか言えなくて・・・・
生い立ちからしてそう・・・
私を親族や里親関係なく、人から人へ・・・まるでいらなくなった
お古のぬいぐるみを誰かに押し付けるように、居場所が転々としていたことも、
きっとこういう運命だった。
すぐに運命は受け入れた。
強かったから。
でも、心はどうだろう?
傷ついても自分にさえ平常心を保つように
何も考えることのない人形のようにコントロールしていたのかもしれない。
だけど・・・・
それでも私は心のどこかで悲しんでいたのかもしれない。
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タクシーが到着がして、店長がソンヨルを乗せて、病院へ向かう。
リリィは運転手に怪我人です。お願いします・・・と言いながら
運転手にメモを渡した。
運転手はリリィの顔を見て一瞬動きが止まったように見えた。
直ぐにメモを見ると、分かりました。と言って、頷いた。
リリィがタクシーのドアを閉めた。
タンッ!
店長はそのリリィの横顔を見ても1つも不思議がった顔をしなかったのが
気になる・・・
気になることが山ほどあるのに、言いたいことも沢山あるのに、
どうしても俺からそれを発することができずにただ佇んでいた。
リリィは俺の背中を優しく押して、店内へと入ろうと促す。
店はもう締めてあるから、ここにいるのは俺たちだけだ。
ん・・・・?
一人・・・多い。
ソンジョン:「やっ!」
リリィ:「いつの間にっ・・・?!」
ソンジョン;「へへっw」
ソンジョンは鼻の下をこすっている。
ソンジョン:「さっき?」
リリィ:「今か・・・。ほんと昔っからすばしっこいんだから・・・。」
ソンジョン:「んっ?リリィ、昔のこと覚えてるの?」
リリィ:「えっ?私、なんか言った?」
ソンジョン:「ん・・・・いいんだ。ところでさっ!僕に話させてよ。」
リリィ:「・・・・・来てそうそう何なの?あんたには関係ないじゃん。」
ソンジョン:「あ、皆さんっ!僕、リリィのオッパです^^」
ミョンス:「リリィのっ?あ、初めまして・・・。」
ソンジョン:「初めましてぇ~こんにちはっ!!って、また僕のこと忘れてる・・・」
ミョンス:「あのっ・・・話って・・・。」
ソンジョン:「ねぇ、君さ・・・。」
ミョンス:「あ、俺ミョンスです。」
ソンジョン:「うん・・・知ってるよ。会ったじゃん・・・まぁ、いいやw
僕はソンジョンね?もうそろそろ覚えて欲しいなw」
ミョンス:「はぁ・・・。」
ソンジョン:「ミョンスって呼んでいい?僕のこともソンジョンでいいよ。」
ミョンス:「いいんですか?」
ソンジョン:「別にいいよ。僕が住んでるとこじゃあんまり関係ないしね。
同級生か先輩かなんてさ。」
ミョンス:「でも、別に友達になったわけでもないのに・・・。」
ソンジョン:「細かいことはナシにしよ?w」
ミョンス:「分かった・・・。」
リリィ:「どうでもいいけど、何なの?」
ソンジョン:「もぉ~リリィは怒りっぽいんだからぁ~」
リリィ:「だから、なんであんたが首突っ込んでくるか聞いてやるから早く言ってよ。」
ソンジョンはワザと驚いた顔をして、無言でリリィを指を差し、ミョンスに
同意して!と言わんばかりに目を合わせる。
ミョンスは何を言っていいか分からないので、えっ?と聞き返す
かのように顔だけをひょっこり前に出す。
ソンジョン:「えっ~?んもぉ~せっかちだなぁ・・・。僕の気持ちなんて完全無視
だもんなぁ・・・僕はリリィにやっと会えて、こんなにもハイテンションなのにぃ~。」
リリィ:「その無駄なテンション持て余してるじゃん。みんな、引いてるの分かんないの?」
ソンジョン:「うーん・・・だってリリィってば少しも喜んでくれないんだもん・・・
まぁ、今回の事件に関しても色々と話さなきゃいけないことは勿論
たくさんあるけどさ・・・。」
リリィ:「私達の事は別でしょ?それは二人で話せばいいじゃない。」
ミョンス:「あの・・・久しぶりなんだ?会うの・・・。離れて暮らしてたの?」
リリィ:「うん・・・血は繋がってないけど・・・兄妹。まぁ、色々あってこんな仲なの。」
ミョンス:「そっか・・・でも、リリィ、もう少し優しくしてあげたほうが良くない?」
リリィ:「ミョンスが優しいから十分よ。」
ソンジョン:「何それーっ!偏見~!」
リリィ:「いいから・・・・。」
ソンジョン:「分かったよ・・・まずリリィ、僕はリリィを探しに来たようなもんなんだ。
だから、やっと探し当てた時に、面倒に巻き込まれてるミョンスとさっきの・・・・。」
ミョンス:「ソンヨルです・・・。」
ソンジョン:「そうっ!そのソンヨルとあとぉ~・・・女の子・・・」
ミョンス:「多分、それ俺の妹です。ミンスって言います。」
ソンジョン:「そっか。そのミンスちゃんが男数人と、同い年くらいの女の子かなぁ?
そいつらに囲まれてて、僕は遠くからそれを見かけたの。」
リリィ:「はっ?何それ。見てたんなら助けなよ。」
ソンジョン:「なんで?僕には関係ないじゃん。僕は別件で・・・」
リリィ:「じゃぁなんで今は首突っ込んでくるわけ??もう、ほんと意味分かんない・・・。」
ミョンス:「まぁまぁ・・・リリィ・・・話を聞こうよ。」
ソンジョン:「なんでって・・・その後さ、ミンスちゃん助けようとして
ミョンスとソンヨルが殴られてたでしょ?そしたらやられちゃったよね?
ミョンスはその時、そいつらの一人に鉄の棒で殴られて、
意識不明になったみたいだね・・・。
無理にとは言わないけど、思い出してみてよ?」
ミョンス:「・・・・・・ソンジョンはそれをずっと見てたんだね・・・
俺の記憶は・・・ほとんどなくて、事件に巻き込まれたっていうか・・・・
ミンスが知らない奴らに絡まれて助けた時に殴られた・・・って
ミンスからは聞いてたけど詳しくは聞いてないんだよ・・・。
それで納得してたし・・・。」
そう言い終えると、ミョンスは一人、考え込み始めた。
(そういえば・・・入院してる時、先生がソンヨルに何か言ってたな・・・
なんだっけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。)
『君もあんまり無茶は駄目だよ?
また何かあったら来なさい。』
そうだっ・・・確かに先生がそう言ったような。
だとしたら・・・だとしたら?
あの時、ソンヨルは何も無いみたいな事言ってて・・・誤魔化したのか・・・。
誰にも言ってない?
そんなあいつが嘘をついてるの、きっと1つじゃない。
俺・・・・なんでそう思うんだろう・・・。
ソンヨルはそういうやつなんだって、普通に思った。
ソンジョンン:「やっ!僕を恨まないでよねッ!?ん~、まぁ、それは置いといてぇ~。」
リリィ:「あんたが思い出せって言ったんでしょっ!?」
ソンジョン:「んもぉ~・・・リリィ・・・ってば・・・。」
リリィ:「それ・・・私のセリフだから・・・。」
ソンジョン:「あっ、そうだっけ?ま、いいやwんで、そん時ね、どぉ~こに隠れてたんだか、
ソンヨルも直ぐにヒョッコリ出てきたヤツに背中切られてたんだよ。
でも、あの子強いねぇ~!!自分は無傷みたいな顔して救急隊の人に
事情説明してミョンスを病院まで連れてったんだから!!
自分だって怪我してるのに・・・。」
リリィ:「そうだったんだ・・・。」
ソンジョン:「うん、リリィはあいつらと病院で偶然会ったんだよね?
それにあいつらを蹴散らすことでいっぱいだったしね。」
リリィ:「なによ・・・見てたのっ!?見てたなら手伝いなさいよ。
っていうか何でこう何度も見てるのよっ?ストーカーっ!??」
(えっ・・・病院で?えっ・・・?まさかっ・・・)
もう何度混乱しただろう。
俺は二人の会話をただ黙って聞いてるだけなのに、
混乱し続ける。
ソンジョン:「やだなぁ~違うよぉ~だってリリィとは感動の再会したかったんだもんw
それにリリィは強いから大丈夫だと思ってたし!!」
リリィ:「あんまり過信しないほうがいいよ。痛い目見るから・・・。
私はともかく、ミョンス達をなんで黙って見てたのかって言ってんの!」
ソンジョン:「あいあ~ぃ・・・気を付けまぁ~す♪」
リリィ:「何をだよ。はぁ~・・・嫌んなる。」
ミョンス:「ミンス・・・・・・。」
ソンジョン:「あっ!そういえばここに来る途中、ミンスちゃん見かけたよ!
さっき帰った奴に会わなきゃいいけど・・・。」
リリィ:「ミョンス、LINEで確認したほうがいいかも。」
ミョンス:「うん、そうしてみる。」
ミョンスは急いでミンスにLINEを送った。
しばらくミンスとの画面を開きっぱなしにして、返事を待つ・・・
しかし、既読もつかない。
いつもはどうだったかな・・・?
こんな時にさえお前の日常がどんなだったか分からないなんて・・・
情けない兄さんで・・・ごめん・・・。
そう話している間にナナはずっと黙り込んで、隅っこで申し訳なさそうに
オズオズとしている。
ミョンスも今は記憶をたどることに忙しくて何も言ってやれない。
それよりも、今は成り行きを整理しなきゃいけなくて。
その時、突然思い出した。
ミョンス:「そういえばっ!!」
リリィ「・・・・・。」
静かに視線を向けるリリィとソンジョン。
まるでこんな事件になれているかのように見えた。
なんて冷静沈着なんだ・・・・
本当に俺と同い年かっ??
それにソンジョンって自分が喋ってない時のあの冷たい目つき・・・
なんか怖ぇよ・・・。
腹になんか持ってそうだ。
ミョンス:「そういえばさ・・・俺が入院してるときさ・・・もう面会時間が終わる頃に、あいつらの
仲間ってやつが来たんだ。俺は縫ったばっかの傷口が開いちゃうほど
殴られたり小突かれたりしてて、フラフラだったんだけど、
女の子が助けてくれたんだよ。」
ソンジョン:「あっ!そぉ~れがリリィ~♪」
ミョンス:「リリィっ??」
ソンジョン:「うんw嘘だと思うなら聞いてみなよ。さっき言ったろ?
あいつらとリリィは病院で会ったんだよね?って。」
ミョンス:「ほっ・・・ほんとなのっ?リリィだったの?」
リリィ:「目覚めてからの記憶は無くならないのね。」
ミョンス:「えっ・・あ・・・うん。」
ソンジョン:「リリィはね、実はすっごく強いんだ。」
リリィ:「やめてっ!!」
ソンジョン:「なんで?本当のことじゃん。リリィ?事実じゃん・・・なんで隠そうとするの?
僕とリリィが、実は兄妹じゃないってこともね。」
ミョンス:「どういう・・・・。」
リリィ:「色々あってね・・・でも、ミョンスには関係ないことだから。」
ソンジョン:「まぁ、いいけどw僕達は凄く複雑なんだ。でも、僕はリリィを
本当の妹のように思ってる。今までと変わらずにね。」
ミョンス:「なんか・・・俺が聞いちゃって良かったのかな・・・
でも、俺もリリィの事、今までと変わらないよ。」
リリィ:「・・・・それより、ミョンスは記憶が戻っていないって本当なのね。
でも、私もソンヨルも気づいてた。もう、一人で悩まないで欲しい・・・。」
ミョンス:「そっかwバレてたんだね・・・・うん、ごめんね?ありがと・・・。」
リリィ:「これからはもっと楽にね^^ ところで、ミンスから返事は?」
ミョンス:「いや・・・まだ。」
リリィ:「・・・おかしいわね。家でくつろいでるのかな?」
ナナ:「あのっ・・・。」
リリィ:「?」
ソンジョン:「さぁ、白状しちゃいなっ!!」
リリィ:「ちょっと!!」
ソンジョン:「やっという気になったんだ・・・・早く吐き出しちゃいなよ。」
ナナ:「すみません・・・・誤解・・・なんです。あいつらとの事。」
ソンジョン:「急だねぇ~・・・。」
リリィ:「あんたがけしかけたんでしょ・・・。」
ミョンス:「ナナ・・・。」
ナナ:「付き合ってたつもりもありません・・・。」
ソンジョン:「でもあいつ、付き合ってたって言ってたけど?」
ナナ:「あいつが勝手にそう言ったんです・・・。私、ミンスちゃんの事も知ってました・・・。」
ミョンス:「ミンスのことっ?」
ナナは頷いた。
繋がって絡み合っていく・・・・・
複雑に入り混じりながらもう解けないようにとみんな息を呑んだ。
ナナ:「私・・・実はミョンスと1度だけ話したことがあるんです。話したって言える
長い会話じゃないけど・・・。それは記憶がなくなる前のことです。」
ミョンス:「えっ?そうなの?なんか・・・ちょっと嬉しいよ。」
リリィ:「・・・・・・。」
ソンジョン:「アイゴ・・・。余計な事言う・・・。」
ナナ:「その時、既に私はあいつらに目を付けられてました。不良チームのような
団結を持ったあいつらは、いつも暇を持て余してた。なんの気無しに通りがかった
私に声を掛けてきたのが始まりです。」
ソンジョン:「ふぅ~ん・・・。」
ナナ:「あいつが私を気に入ったらしくて、今日から彼女だって決めつけられて、
毎日のように門の外で待ってました。目をつけられた子は
悪いことを強いられてたの。」
リリィ:「悪いことって具体的にどんなこと?」
ナナ:「・・・万引きとか、飲み会みたいな所に連れて行かれて飲まされるとか・・・。」
リリィ:「それってお酒ってこと?」
ナナ:「お酒だけじゃないかもしれません・・・でも、私には確かめる術はありません。」
ソンジョン:「犯罪の匂いアリ・・・だね。リリィ・・・。」
リリィはソンジョンに目を合わせて頷いた。
ミョンス:「まさかっ・・・まさかミンスがあいつらの標的になったんじゃ・・・。」
ナナ:「私が逃げ出して・・・そこにいるソンジョンさんに助けられたからかもしれません・・・
ミョンス・・・私っ・・こんなことになるなんて思わなかったのっ・・・ごめんなさいっ・・・。」
リリィ:「はっ?ソンジョン・・・なんでそれを早く言わなかったのよ。」
ソンジョン:「だって聞かれてないもんwそれにリリィも悪いんだよ?僕を避けてたじゃない。」
リリィ:「それはっ!・・・そうだけど・・・。」
ナナ:「単に逃げても意味はありません・・・ソンジョンさんが二度と近づかないように
どうにかしてくれたようなんです・・・。」
ソンジョン:「それは秘密~♪でも、ナナちゃんには近づかなくなったよねっ!」
ナナ:「はい・・・。」
リリィ:「で、ミョンスとの出会いは?」
ナナ:「あ、はい・・・その後、私を憎むように遠くからあいつらは見てました。
でも、何をするワケでもなかったんですが・・・それはソンジョンさんが
いたからだと思います。そんな時、ミョンスの近くを通りかかった私は、
スカーフを落としてしまって、それをミョンスが拾ってくれました。」
ミョンスの脳裏にその時の光景が何故か浮かんできた・・・
夢を見ているかのように次々と現れる光景。
スカーフを拾っている自分の手・・・
それを誰かに渡し、受け取っている誰かの笑顔。
あれが、ナナ?
ミョンス:「思い出した・・・なんとなくスカーフを拾ったの覚えてる。」
ソンジョン:「覚えてるっていうか、思い出したんでしょ?」
ミョンス:「うん、あれ・・・ナナだったんだ・・・?」
ナナ:「ミョンス・・・ごめんなさい。私達が付き合ったのはあの時からじゃないの・・・・
本当は私がミョンスに片思いしてただけ・・・。」
リリィ:「事件前に付き合ってたってのは・・・」
ソンジョン:「嘘っ!!だねっ?」
ナナ:「ごめんなさいっ!!ミョンス・・・。」
ミョンス:「そっか・・・俺達付き合ってたわけじゃなかったんだ・・・
でも、どうして嘘を・・・。」
ナナ:「私、ミョンスが記憶がないって直ぐに気づいたの。
その・・・表情っていうか、いつもと違う感じがして・・・・。
それで、助けたくてつい嘘ついちゃったの。でも、まさか信じてくれるなんて
思ってもみなかったし、付き合ってもらえるとも思ってなくて・・・。」
リリィ:「ずっと見てたから分かったのね・・・でも、今のミョンスがあなたを選んだことには
変わらないじゃない・・・ねぇ、ミョンス?だから、いいんじゃない?」
ソンジョンは手をクの字にして、左手の人差し指に顎を乗せている。
そして、誰かの話す声と同時に、大きな瞳をギョロギョロと動かした。
ミョンス:「うん・・・そうだね。ナナは優しいからそうやって俺を助けようと
必死になってくれたんだろ?だから謝らないで?」
ナナ:「ミョンスッ!!」
ナナはミョンスに抱きついた。
チクンと音がした・・・・・
細く長い針が心臓を突き刺すように。
さっき自分で言った言葉にさえチクチクとつつく。
しばらくしてから、小さな丸い玉のような血が溢れて
私は倒れそうになるの。
血の量じゃなくて、その丸く膨れ出た血が、
まるで心を閉じ込めて溢れた自分みたい。
『悲しかった。』
私の事はまだ思い出せないのね・・・・
ソンジョンはリリィの横顔を静かに見つめている。
ソンジョン:「ミョンスとナナが抱きしめ合っているのは・・・・うん、感動的だな。
でも、これで終わりじゃないよ。」
ミョンス:「・・・・ごめん。」
ソンジョン:「何がさ?なんで何もしてないのに謝るの?
謝れば何か解決する?そういうのってさ・・・自己防衛みたいでイラつくんだよね。
だってさ、謝ることでイラつく人だっているわけだし。なんの為?ってね。」
ミョンス:「何でそんなこと言うんだよ?謝ってるだろっ!?
ソンジョンの他にイラつく人って誰だよっ?」
ソンジョン:「あれ~?本性現れた?ほらね・・・謝ればそれで済むと思ってる。
謝ることで傷つく人もいるって意味が分からないのかなぁ~?」
ミョンス:「だから、それは何なんだよ・・・!」
ソンジョン:「説明したって自分で気がつかなきゃ、一生かかっても君には分からないよ。
でも、確かな事だけ教えるよ・・・必ず誰かが傷ついてる。」
ミョンス:「だから誰なんだよっ!?」
ソンジョン:「さぁね?自分で探してよ・・・・案外、お前の記憶の中に
ヒントがるのかもね。」
ミョンスはイライラしてたまらなかった。
ミョンス:「俺達を嫉妬してんのか?意地悪としか思えないんだけど。」
ソンジョン:「そう思いたいならそれでもいいよ。
ただ・・・・これ以上傷付けるなら、僕はリリィをここには置いておけない。」
ミョンス:「えっ・・・?なんでリリィ・・・・?今、リリィって言った?」
ソンジョン:「んふっwさぁね?」
リリィ:「やめてくれる?私の名前を勝手に出さないでよ。
私は傷ついてなんかないし、ソンジョンの勝手な妄想を押し付けられて迷惑だし。」
ソンジョン:「僕は本当のことしか言わないよ。」
リリィ:「だからやめてって。」
ナナ:「・・・・・・・・・。」
(俺が・・・・リリィを傷つけてるって?
そのヒントが記憶の中にあるって?)
(ソンジョン・・・お前はどこから来たんだよ。
外国って言ってたけど、そういうことじゃない。)
(ナナとの絆が深くなったのは良かったけど・・・・
ナナも辛かったんだろうな。)
何から考えればいいのか迷子になる。
あちこち思いが飛んでいく。
俺がこうなってから、日常が変わってしまった。
リリィ・・・何かを隠してるの?
ソンジョンが言うことを聞いてるとそんな風に感じた。