"閉園のお時間が近づいております…"

園内アナウンスが流れる

「そろそろ、行こっか」

「うん…」

まだ目の前の小さな木の枝と

格闘している象を

名残惜しく見送りながら

足早に出口を目指した

一斉に出口へ向かう人々が

まるで何かから逃げている様に

見えた

車に乗りこみ

動物園を後にする

「満足出来ましたか?」

彼に聞くと

「うん、満足出来ました」

と照れながら答える

こういう時の彼は

本当に

頼りない可愛い子供に映る

さて、急いで家に向かう

晩ご飯を食べて眠りにつけば

いよいよこの地とも

しばしのお別れだ

小さな握りこぶし