「声優学校は半年で辞めたの」

「え、なんで?」

彼女は不思議そうに尋ねてきた

無理もない

わたしは絶対に声優になると

そう言い切ってドイツを出たのだから

「うん、結論から言うと

結婚したかったから、かな」

私の通った声優学校は

オーディションを経て入学し

半年ごとに昇格オーディションがある

講師は実際に現場で活躍している方々で

男女比は五分五分

ただ、忙しすぎて

家庭や恋人がいる感じではなかった

最初はそれでもいいと思った

自分で自分の面倒を見られれば

やりたい事をやればいいと思った

ただ、周りの同期たちが

どんどん結婚していく時期と重なった時

一生一人で居るのは寂しいと感じる

自分に気づいた

小さな握りこぶし