「へえ、雪国?どうして?」

彼女は不思議そうに

目をこちらに向ける

「うん、彼と一緒に住むの」

「結婚するの!?」

歳も歳だし

結婚の字が浮かぶのは

おかしくないのかもしれない

でも

初カレ初カノのときめきを

もっと感じていたかった

不安定で確約がない

まっさらな恋心

喜びあったり

喧嘩したり

切なくなったり

そんな一切の感情が

わたしには愛おしいものだった

「結婚はまだなんだけどね」

「そうなんだ

でも、おめでとう!」

結婚を前提にお付き合い

している訳だが

"結婚"という言葉を

まだ直視出来ずに

カレカノでいたいと思うのは

臆病風に吹かれているからだろうか

自分でも分からないでいた

小さな握りこぶし