柳瀬クンと別れてから


それからしばらく彼氏のいない日々が続いたけど

あいかわらずほかのクラスの男の子に告白されたりしてた


デートもしたけど、全くピンとこない相手だった


ちなみにまだあたしは「ど近眼めがね女」!




あたしの教室の席は窓側で



毎日みんなが登校する所がちょうど見える位置だった



そしてただならぬオーラを放つ人を発見してしまったのです!!



彼は毎日遅刻


とっくにみんなが教室に入ったあとで


1人で遅れて登校


「あ、またあの人だ!」




☆ナオヤ先輩のデータ☆
① 1つ年上
②身長185センチ
③体型は痩せ型
④バイクレースチームを組んでいる
⑤家は学校の近く
⑥顔は色白
⑦ロン毛
⑧毎日かったるそうに登校
⑨顔は浅野忠信系、ちょい悪系




この男は危険な匂いがする!




でもちょー惹かれる!




もっと彼を知りたい!



でも何もつながりがない・・・


どうにかして私の存在を知ってもらわなきゃ!





と思っていたら

なんと同じクラスの真由が年上の先輩とその時ちょうどつき合っていて

しかもその彼、ナオヤ先輩と一緒にバイクレースのチームを組んでいるではないか!





きゃーなんて偶然なの!




ってことで、真由の彼にまずチームのステッカーをもらい


何気に廊下にある自分のロッカーの扉に張ってみた



そして数日後・・・




なんとナオヤ先輩がそれに気づいてくれたのです!!!




「あれ?なんでこのロッカーに俺のステッカー張ってあんの?」




ってことでそこにユウ登場!!!





「あっ、それわたしでーす!!!」


「ナオヤ先輩のファンなんです!」






「は??この子どうしちゃったの?」




始めは冷たくあしらわれたんだけど・・・




「あっそー俺のファンなんだ?じゃあバイク見にうちに遊びにくれば?」





「え~!!いいんですかっ??!!!」



もうテンション上がりまくりで!!!


その日をきっかけに、学校から歩いて数分のナオヤ先輩の家に

何度も遊びに行くことになるんだけど


二人きりってわけじゃなくて・・・



ナオヤ先輩ちの周りには、いつもガラ悪いバイク仲間がたむろってて


ナオヤ先輩と話しなんてほとんどできなかった



つーかむしろパシられてて


ジュース買ってきたりとか・・・

たばこ買ってきたりとか・・・


まあ私の役目はそんな感じだ~



それでもそこでナオヤ先輩と同じ時間を過ごせるのが幸せで


こりずにいつも行ってたから


「ねぇねぇ、来るのはいいけどここにいて楽しいのか?」


ってナオヤ先輩に聞かれてた



バイク仲間の人にも


「ナオヤは彼女いるからやめときなー」って言われてた


わかってるよ?ナオヤ先輩に彼女がいることくらい・・・



でも嫌われてないのは確かだ

遊びに行くと必ず

「おっす!」

って一応ちゃんと家から出て来てくれるし


いつもは彼の家の駐車場でたむろって話をしてたんだけど



ナオヤ先輩の部屋に一回だけ入ったことがあった




「俺、今から寝ちゃうけどユウもここで一緒に寝るか?」



えっ!!!




どどどどど~ぉしよう!!!!




なんて答えればいいの???



素直に「うん」なんて言ったら



ヤリマンかと思われちゃうかも!!



なんて答える???



頭がぐるぐる・・・・・・・







まだわたしは処女だったからその言葉にどう反応していいかわかんなくって




完全固まって地蔵状態






「うそ冗談だよ、じゃあ俺寝るからまたな」




あ~あ・・・・せっかくのチャンスがぁ・・・・



私も一緒に寝る!ってなんでいわなかったんだろう・・・



ちょー後悔した



別にSEXがしたかったわけじゃなくて


ナオヤ先輩のベッドで一緒に隣で昼寝ができるチャンスだったのに!

もしかしたら

あこがれの腕枕で寝れたかもしれないのに・・・・


ちょーーーー後悔だっっ!!





そんなナオヤ先輩の駐車場でたむろの日々が続いて




ナオヤ先輩も夜にバイクで家まで来てくれたり

部屋に入れたこともあったし

電話でよく話をするようになって

もしかしたらナオヤ先輩とつきあえるんじゃないかって

少しづつ期待するようになってた




でも彼は彼女がいるし・・・

彼とつき合える率はもの凄く低かった




バレンタインの時にプレゼントを用意したのに

「がっこー卒業すんのに単位足りなくて勉強してっからさ」と断られた


「こういうのって迷惑なの?」




「あぁ・・・そうだね・・・」






悲しくて悲しくて泣いて


でも彼を忘れようと必死になり


友達に紹介された男と好きでもないのに遊んだりした





2ヶ月間、全くナオヤ先輩と連絡をとらなかった








ある日家の電話をとったらナオヤ先輩だった


びっくりした


でももうへんな期待はしない。だって迷惑だって言われたんだから・・・




久しぶりのナオヤ先輩の声はすごく暗くって

どうしたのかと気になった




「おやじが昨日亡くなったんだ・・・」


「おやじが入院してたからばたばたしてて・・冷たくしちゃって悪かったね・・・」



小さい声でナオヤ先輩が言った




その夜





生まれて始めてあたしは部屋の物をぐちゃぐちゃにした



ナオヤ先輩のことをこんなに好きでいながら、彼の家族の事情も知らずに

お父さんが入院していることも知らず


バレンタインの時にプレゼントなんか渡してる場合じゃなかったのに・・・


あんなに一緒にいながら


なんでナオヤ先輩の変化に何も気づかなかったの???


私・・ナオヤ先輩の何を見てたのよ!!



好きでもない男とやけになって遊んだりして




ほんと私ってバカだ!!!





本も化粧品も洋服も



全部投げ散らかして



部屋はぐちゃぐちゃになった



異常な物音に気づいてママとパパがわたしの部屋にとんできた



2人ともこの状況に唖然として



「何やってんの!どうしたの?!!」




泣いてぐちゃぐちゃなあたしと部屋・・・





「ナオヤ先輩のお父さんがっ・・・うぅっ」








ナオヤ先輩は卒業をし、学校に来なくなっても


わたしはまだ彼が好きだった・・・









■柳瀬くんとの恋愛■





わたしの名前は「田原 夕」(偽名)

性格は勝気でポジティブで明朗 好奇心旺盛 長女

東京で産まれて

一般のごく普通の家庭で育った



父はピアノ奏者のちに高校教師

母は元美容師で現在は主婦


歌を歌うのが大好きで、大好きだった歌手はただ1人「中森明菜」


普通に育って普通に生きてきたあたし






そんなあたしにも、16歳高校1年の時に始めて彼氏ができた


自分に自信がなかった中学の3年間は、一人の男の子の事をずっと好きだったんだ


一途っつーか、しつこいっつーか・・・


結局好きと言う勇気がなくて


片思いで終わっちゃったんだけど・・・





好きだった人は「長谷部 篤」


クラスというより学年の人気者なの


年下の後輩にもモテる彼は学年でも目立った悪グループにいて




でもその悪グループは、ヤンキーとは違うんだ


体育祭、文化祭、合唱コンクール



学校の行事には大活躍!!


とことん燃える、熱いヒーローみたいなグループだった



時に先生には反抗することがあっても

イジメられてる子を助けるヒーローなグループ



長谷部は授業中はほとんどずっと寝てるけど・・・



人懐っこい彼は先生からはかわいがられていたように思う



中学の時わたしは「ど近眼メガネ」をかけてて

自分の事「かわいい」とか「いけてる!」

なんて思った事なくて



でもね、なぜか男の子からラブレターをたくさんもらってた

同級生、後輩、先輩、いろんな人から

どこかに呼び出されて告白もたくさんされてたし…


誕生日プレゼントも男の子からたくさんもらってた





なんで私なの?って心の底からすごい疑問に思ってた



だってなんつったって無敵の「ど近眼めがね女」だし!!


お世辞でも「かわいい」と言えるルックスではなかった


あたしが中学のころは、今みたいにメガネはおしゃれじゃなかったし




メガネ=ガリ勉




メガネにはそんなイメージしかなかった



卒業式の日、わたしはどうしても長谷部の第2ボタンが欲しくて



思い切って言った・・・



「はせべ~第2ボタンくれる?」




「いいよ、やるよ」


「はい」と渡された第2ボタンは 今でもちゃんととってある



長谷部のことが好きだった下級生がボタンをもらえなくって泣いていた



新しく迎えた高校生活で私に柳瀬クンという好きな人ができた


クラスは違うけど

うちのクラスの野球部のマサヤとよく廊下で話してて

なんとなくその時からお互い目が合ってたんだよね

柳瀬クンも野球部で


ユニフォームがよく似合っててかっこよかった






☆柳瀬クンのデータ☆
①野球部
②髪型は野球部のわりにロン毛
③身長170センチ
④板橋区出身
⑤お姉ちゃんがいる
⑥色黒
⑦タレ目



笑った顔もステキで優しい目をしていた


私はどうしてもつき合いたくて

でもやっぱり自信がなくて告白できなかった





それから数ヶ月たったある日。。。

「柳瀬がユウに話があるから部活終わったら教室の横の階段で
 待っててって言ってたよ。」


とマサヤが言いにきた




もしかして!!!






そんな期待で胸がドキドキする!


だってよく目があったりしてたし!


もしかして・・・告白かな?






部活中はなんだかそわそわしちゃって

全然集中できなかった




部活終わって、トイレで何回も顔をチェック!


自慢のストレートの髪をしつこくブラシでとかして


呼ばれた階段の所に行った



柳瀬クンがいた・・・




「ここで話ししてもいいかな?」

「うん・・・」




階段に座って始めて話しをした

近くで見る柳瀬クンはやっぱり優しい目をしていて

笑顔がすごくステキだった






「ずっと気になっててかわいいなって思ってたんだけど・・・俺の事どう思ってる?」



「私もずっと柳瀬クンのこといいなって思ってた・・・」




「じゃあ~つき合おっか?」




「うん!」


「でも一つ問題があって…」


「なに??」



「俺野球部じゃん?1年のキャプテンになってさ、頭ぼうずにしなきゃいけないんだよ…
それでも大丈夫??」




「柳瀬クンならぼうずでも似合うよ?全然気にしないよ!」


「そっか!よかった!」




始めて彼氏ができて本当にうれしかった



それから毎日私たちは一緒に帰った



チャリの後ろに乗っけて駅まで送ってくれた


駅に着いてもなかなかバイバイしたくなくって

駅前のロータリーに座って、その日の出来事を1時間くらい報告し合い


「また明日ね!」 と別れる



家に帰ってからも


彼は夜に毎日電話をかけてきてくれた


本当に優しい人だったな~




そんな彼がクリスマスにくれたプレゼントは

わたしの誕生石アクアマリンの18金ネックレス


16歳の高校生が彼女に贈るプレゼントにしては高級だよ?


きっとバイト代を必死に貯めて買ってくれたんだろうな・・・


でも 私はそれから間もなく彼に疑問を抱きはじめた






3ヶ月たっても彼は手もつないでこない!!

なぜだ!!





なにも手を出してこない彼が退屈だった


わたしはまだ処女でキスもしたことない


だからよくわからなかった


マンガやドラマで見る恋愛ストーリーって

ありえないのかなって・・・

16歳でキスを求めちゃいけないのかな・・・




よしっ!マサヤに電話して聞いてみよう!男の本音ってやつを・・・





「ユウ、どうかしたん?」

電話にマサヤが出るなりいきなり直球をなげてみた


 
「ねーねーマサヤはさ、彼女とキスしたいとかHしたいとか、いつもそう思ってる?」



「なんだよいきなりその質問(笑) まぁ~そうだね・・・
男なんてそんなことしか考えてね~だろ」



「だよね~・・・でもさ、柳瀬クン何にもしてこないんだよ。おかしくない?」


「あーそうなんだ・・・
でもそれはたぶんユウのことちょーー大事にしてるからじゃん?
ユウの彼氏優しくっていいな~って女たちみんな言ってるよ?」



「そぉなのかなぁ~でも友達の話聞くと、遊んで別れるときチューしてくれるとかHしたいって迫られるとかみんな言っててさ~いいな~って。  これが恋愛だよなーーって思っちゃうんだけど・・・」




「でもまだつきあって3ヶ月だろ?柳瀬もまだ3ヶ月なのにそんなことしたらユウに嫌われるとか思ってんのかもよ?」


「でも~マサヤだったらどうよ?好きな女と一緒にいて3ヶ月もがまんできんの?」


「オレは・・・・・・・できね~な(笑)」


「でしょーーー!普通そうでしょ!だからもしかしたらそんなにあたしのこと好きじゃないのかな?って思っちゃって・・・」
 
 


「いや、それは違うだろ。確かに彼女とやりたいとか思うのは当然だけど、本当に大事にしたい女にはやっぱ嫌われたくないからそうそう簡単にHしようぜ!なんて気軽に言えないんだよ。男は意外にそういうとこナイーブだからさ」




「そうなんだ・・・」



「大丈夫だよ、心配しなくてもそのうちそういう時がくるって!」



「そっか~なんか安心したよ。ありがとね!」



「ま、仲良くやってくれよ!」



「らじゃーー!!」







それから2ヵ月後に始めて手をつないだ・・・



付き合って5ヶ月たつというのに・・・


キスもしない、Hもしない・・・




純粋な恋愛すぎじゃん??




わたしはそんな恋愛に期待していたわけじゃないっ!





もっと燃えるようにエロティックな恋愛がしたい!




ドラマの見すぎかもしれないけど・・・



だから彼の純粋さにイライラしていた




もっと迫ってこいよ!!


どんどん来いよ!!


これでもかっっ!てくらい押してこいよ!


あたしを熱くさせてくれ~!!
 




1人でこんなエロイことを思っているなんて

柳瀬クンは考えてもいないだろうな(汗)




そして7ヶ月たったクリスマスの日


横浜に出かけて、とうとうキスをしたんだけど


ドラマのようにロマンティックじゃなかった



人だらけの桜木公園のど真ん中で初キスなんてありえない!!!


もっと場所選ぼうよ??彼に台無しにされた・・・




あたしの初キス返せーーー!!!





あまりにもその初キスシチュエーションが想像と違って


ムカついた


その後は2人の恋愛に全く進展はなく


もちろん迫られることもなく


「一緒にいてもつまんないから別れたい」と言って


あっさりと彼にバイバイを言った


友達に別れた理由を報告したら


明美「は??????あんたSEX妄想族???」


真由「彼かわいそうに・・・あんなに優しい彼うらやましいって思ってたのに!」



明美「SEXなんてこの先いくらでもできんじゃん!でもこんなに純粋な恋愛は今しかできなかったかもしれないんだよ?あんたバカだね~!」



次々と友達に罵声をあびせられた



そ、そうだよね・・・(汗)


「ただみんながもうH経験済みだったのがうらやましくてあせってたのかも・・・」


「はぁ・・・そんなのアセんなくてもいいのに・・・」



明美が言ったことは本当だった


あたしの純粋な恋愛はそれからもう2度となかった



バカな女・・・



もしいつか柳瀬クンに会えるのなら



彼に「ありがとう」と「ごめんね」を言いたい