昨日、4月から大学に進学し、
一人暮らしを始める息子のために
ある家電量販店に買い物にいった。
祭日とあって、店内は朝からかなりの人で賑わっていた。
この時期の私たちのような家族連れは、
いいお客なのであろう、
頼んでもいないのに、
店員がつきっきりで商品の説明をする。
その中から、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、
電子レンジ、・・・、・・・、・・・、・・・、
と必要なものが次々と選ばれていく。
もちろん全部新品である。
一体いくらかかるのか、
金額の足し算が頭の中でめまぐるしく行われる。
しかし桁が大きくなると、なかなか計算ができない。
こんなことなら、普段からもっと暗算の訓練をしておくべきだった。
ちょっとしたことでも、電卓に頼っていた自分が悔やまれる。
商品を選びながら、30年以上も前、
私自身も大学進学で実家を離れて
一人暮らしを始めた頃のことを思い出した。
当時は、今の学生マンションのようなものはなく、
部屋だけを借りる、いわゆる下宿だった。
建物も古く、隣の部屋の音など丸聞こえの四畳半だった。
今考えれば、よくあんな部屋で数年間も我慢したものだ。
この辛抱強さが今の夫婦円満の元になっているとしたら、
今とても役に立っていると感謝しなくてはいけない。
当時の下宿はトイレ、炊事場は共同、
冷蔵庫も洗濯機も共同だったため、
そんな電気製品はすでに備えつけられていた。
部屋には机・椅子まであった。
自分で用意したものは、
布団とテレビ、コタツくらいだった。
それに比べて、息子よ、お前はしあわせ者だぞ、
全部新品だぞ、分かっとるか?
と心の中でつぶやく。
そして、全部が決まり、「お支払いは?」と聞かれて
誇らしげに、「現金ですっ!」
と答える自分に、どうだ、甲斐性のある父親だろうと、
妻と息子の手前、ちょっと鼻高々であった。
「現金ですっ。」
スゲーッ!