給料上がんないと消費が停滞する。消費税アップより給料アップが先決だし健全かつ国民が求めている。最終的には消費税廃止の方向でいくしかない。まずは政府のムダ使いを改めねば国民の理解は得られない。やる順番を間違えている。
 

 

消費税導入は平成時代の悪のひとつ。この税制は誰彼問わず一律に課税するのだが、年収1億円の人も年収300万円の人にも同じ税率である。まっさきに思い浮かべるのは「人頭税」である。無条件の全員一律に頭数で課税するという悪の税である。ちなみに鉄の女と呼ばれもてはやされていた英国のマーガレット・サッチャー首相がこの人頭税を1990年に導入したのだが国民が猛反発し同年首相の座を降りた。

 

 

 

実は日本でも明治維新以後(廃藩置県)になってもこの人頭税を実施していた地方がある。旧島津藩が宮古島・八重山諸島に課していたのだ。働き手も赤ん坊も年寄りも障害者も一律課税であるから当然悲しい歴史があった。

 

こういった働き手の中心ではない人々を間引きするということ。海岸に行くと岩がある。引き潮の時わずかな食べ物を持たせて岩の穴に入れる。満ち潮の後に行くと誰もいない。うば捨て山の海側版である。

 

やはり古今東西問わず封建的社会というのは非人道的であった。真珠の養殖を目指していた中村十作がこの地方の悲劇を政府に報告し奔走し、国民の反響もありこの悪税は終焉を迎えたのはよかった。260年以上続いた事実の悲劇である。

 

この中村十作(1867-1943)は新潟県の代々庄屋を務めていた裕福な家に生まれた。偶然ではあったが人頭税の悲劇と出会ったのだが、生前この一件を家族にすら語らず何も残さなかったのだ。没後20年(昭和38年1963年)経てたまたま遺族が一通の手紙を受取ることでわかったという。その後、民俗学者の谷川健一(1921-2013)によって仔細が「南島論序説」(講談社学術文庫)で明らかにされた。

良書オススメ! 在野の研究者であったが故に学会にこびず、独自の視線で日本の原風景を描いた。日本民俗学といえば柳田国男、折口信夫が浮かぶが、氏は徹底的な現地調査を行いフィールドワークを確立した。今後、評価はさらに高まるであろう。

 

中村十作は宮古島・八重山諸島の人々にとっては大恩人であり、新潟県が生んだ偉人である。

 

                            そいじゃ