ミステリー小説として有名らしいこの本は、題名がとても素敵で読んでみたいと思った一冊でした。
読み始めたら暴力的な場面や性的なシーンも出てきて題名から想像した感じと全然違う~となったのですが、
最後のどんでん返しが素晴らしいという評判を信じて読み進めていきました。
結果、読んでよかった!
作者が何を伝えたくてこの本を書いたのか、最後まで読めば誰でも分かるようになっています。
私を含めた読者がいかに既成概念にとらわれているか、つきつけられたような気持ちでした。
小説の終盤で「!?」と物語の全貌に気づく箇所があるのですが、
それまでに読み進めていた物語から想像している頭の中の絵がサーっと上書きされるような気持ちのいいどんでん返しでした。
ただ、この本は若い時に読むより、30歳代以降に読むほうが作者の言いたいことがより胸にじんとくるのではないかなと思います。
主人公が言った「みんな桜が紅葉するとは知らないんだよ。」という言葉の意味が、この本を読んだ人にだけ胸の奥にまで伝わる、そんな一冊でした。