題名に惹かれてなんとなく手に取った本です。

 

 

 

路地になっている住宅地に住んでいる10の家族それぞれに生きていくのにちょっと辛い事情を抱えていて、その結果犯罪に手を染めそうだったり、これから何か悪いことが起こりそうだったりするのですが、

住民たちで逃亡犯を見張るという計画をきっかけに、少しずつ気持ちや生活が良い方向に変化していくお話でした。

 

最初はなんか息が詰まりそうだなーって感じだったのが、一夜(と言っても数時間)を一緒に過ごすことでお隣さん同士が少し話をするようになり、それによって感謝される嬉しさやあのご飯を食べたいと楽しみにする気持ち、知りたいけどなかなか聞けなかったことを思い切って聞けたりと、近くに住んでるがそれほど仲良くはないお隣さんだからこその役割があるのだなと思えたお話で、それぞれの家族の歯車が少しだけ良いほうにカチッとはまったような感じで読後がかなり爽やかでした。

 

家族だけではうまくコミュニケーションができず、手詰まり感がある時に家族以外の誰かが入ってくれることですっと解決したり、家族への理解が深まるってこともあるんだなーと近所同士のちょっとした思いやりのやりとりを改めて大切にしたいと思える一冊でした。

 

それにしてもこの本、それぞれの家族を描くときに名字じゃなくて名前だったり、そもそも誰なのかが少し読み進めないと分からなかったり、かなり注意力がいりました。(私だけ?)一気読みしたわけではないので、途中から読もうとしたらこれは誰の話だったっけ、これって以前にスーパーで働いていたエピソードの人と同一人物?等訳が分からなくなってきて、用紙に名字とその家族たちのエピソードや特徴を記録しながら読みました。これはこれで相関図を完成させていくのが楽しかったです。