虎 百獣を求めて之を食らひ、狐を得たり。

狐曰く、「子敢へて我を食らふこと無かれ。

天帝 我をして百獣に長たらしむ。

今 子 我を食らはば、是れ 天帝の命に逆らふなり。

子 我を以つて信ならずと為さば、

吾 子の為に先行せん。

子 我が後に随ひて観よ。

百獣の我を見て、敢へて走げざらんや。」と。

虎 以つて然りと為す。

故に遂に之と行く。

獣之を見て皆走ぐ。

虎 獣の己を畏れて走ぐるを知らざるなり。

以つて狐を畏るを為すなり。