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ある人がいた。


一世を風靡した人だった。


今では、周りから勝手に過去のある時期を切り取られ「全盛期」を決められている。

その「全盛期」であったときその人はポツリと呟いた。


「私はもう旬ではないから」と。


しかし当時、そんな言葉を聞き入れる者はいなかった。


あれから数年経った。

時は流れ、木々に五月雨が当たる頃、新たな時代の風を巻き起こす人が現れた。
その人が予知していたかのように。


『もう私は旬ではないから』


その人が言っていたように、本当に今は旬ではなくなってしまったのかもしれない。


ただ私は思う。


旬はあくまでも「旬」であり、
「全盛期」により一世風靡したその人の過去と結果を比較出来るはずもない。

人は比較したがるが、どんな数字が出されようとそれぞれが歩んできた道程も違うのだ。それで果たして現在の互いの人気度を確定できるのだろうか。

どうか自分が応援している人がいたなら、

心無い人々の発言に心を傷めないで。

そんな言葉は何の意味も持たないし
何の形にもなっていない。





ある女性がいた。

もう彼女は自らを取り巻く不条理な世界へ反旗を翻すことはしなかった。

もしかしたらもうそんなことをする必要はないのかもしれない。
もうその役目は代わらなくてはいけないからだ。