皆さん、こんにちは。最近の曲作り、調子はどうですか?
私はDTM(デスクトップミュージック)を趣味で楽しんでいるのですが、昔から「頭に浮かんだメロディを、そのまま画面に打ち込めたらいいのに」とずっと思っていました。鍵盤をリアルタイムで弾くのがあまり得意ではないので、マウスでポチポチと音符を置いていく作業だけで疲れてしまい、せっかくのアイデアが消えてしまうことがよくあったんです。
そんな私の悩みを軽くしてくれたのが、Audio to MIDI という技術を使ったアプローチです。
■ Audio to MIDI って何?
これは文字通り、録音した音声(オーディオ)データを、後からシンセサイザーなどで鳴らして編集できる音符データ(MIDI)に変換してくれる機能のことです。Abletonの公式マニュアル(Converting Audio to MIDI)でもその仕組みや基礎的な活用法が丁寧に解説されています。
最近はAI技術の進化によって、単音メロディの解析精度は驚くほど高くなり、和音の認識も着実に進歩してきました。とはいえ、楽器が何本も重なったフルミックスの完璧な解析はまだ難しい段階なので、素材はなるべくシンプルに録るのがコツです。
■ 私の使い方はとてもシンプル
散歩中や家事の合間にふと思いついたベースラインや鼻歌を、スマホのボイスメモに録音します。その後、DAW内蔵の解析機能や、Freemusic AI、Spotify発のBasic Pitchのようなオンライン変換ツールを使って、その音声ファイルを読み込ませるだけ。すると、自分のアナログな鼻歌が、あっという間にMIDIノートとして画面上に並びます。どのツールも一長一短があるので、自分のワークフローに合うものをいろいろ試してみるのがおすすめです。
■ 大切にしていること:「そのまま完成品にしない」
ただ、ここで個人的にとても大切にしていることがあります。それは、AIが変換してくれたデータをそのまま完成品にしないということです。
実際にやってみると分かりますが、息継ぎのノイズを余計な音符として拾ってしまったり、リズムが微妙にヨレていたりすることは日常茶飯事です。生成されたデータはあくまで「ラフスケッチ」として捉えるのがコツ。そこから、グルーヴ感を整えたり、音の強弱(ベロシティ)を人間らしく調整したり、フレーズの末尾を少し変えたりといった「人間の手作業」が加わることで、初めて自分の音楽になります。
■ AIは優秀なアシスタント
AIは私に代わって「作曲」をしてくれる魔法の箱ではありません。でも、真っ白な画面を前にして「どこから手をつけよう……」とフリーズしてしまう時間を減らし、「この骨組みからどうアレンジしていこうか」という楽しいクリエイティブな悩みにすぐ移行させてくれる、とても優秀なアシスタントだと感じています。
■ こんな方にこそ試してほしい
楽器の演奏スキルに自信がない方や、長時間の打ち込み作業で肩こりに悩むDTM仲間にとって、自分の声や手拍子をMIDIの種にするこのワークフローは、非常に実用的だと思います。
完璧な出力を求めすぎず、まずは遊び感覚で。頭の中にあるふとしたアイデアを取り逃がさないための便利な道具として、これからもこの技術と上手くバランスを取りながら付き合っていきたいなと思います。もし、メロディを形にするのにもどかしさを感じている方がいたら、いつもの鼻歌をMIDIに変換してみる楽しさを、ぜひ一度体験してみてくださいね。
