巷で噂されている『ピエロの話』。
盛り上がっているのは殆どが学生である。
大人達はそれほど本気にしていない。
ピエロに関わった者は行方不明になっているのに…。
今日も、ある学校で話されているピエロの話。
?:ホントにピエロの事、馬鹿にしたら現れるのか?
?:らしいぜ
?:けどさ、逃げる方法もあるんだろ?
?:みたいだな
?:お前さ、その方法知らないのか?
?:知らん
男子生徒が話しているのは、中庭。
そこに通りかかる1人の生徒。
1年の萩原燐紅(ハギワラ リンク)だった。
実は、この1年はピエロの仲間なのだ。
?:おい、そこの1年!
燐:…はい
?:お前さ、ピエロから逃げる方法知らない?
燐:…知ってますよ
?:マジで!?
燐:仲間になれば見逃してくれます
?:何の?
燐:仕事の仲間です
?:いや、だから、何の仕事だよ
燐:…仕事の内容は僕にも分かりません
?:ピエロに直接聞いた方が早いか…
?:それは流石にヤバいんじゃねぇの?
?:本人に直接聞いた方が早いだろうが
?:どうやって聞くんだよ。会ったら即ゲームなんだぞ?
?:勝てば良いんだって
?:相手はピエロだぞ? 人間じゃねぇんだぞ?
?:俺が聞いた話では、ゲームも手下にやらせてピエロは見物してるって聞いたぞ?
?:手下が人間だとは限らない
燐:僕は、ピエロの仲間は人間だと聞いたことあります
?:マジか!? なら勝てるだろ!
燐:勝てると良いですね、先輩
翌日の放課後、2人の2年生は学校の旧校舎に居た。
この学校でもピエロ目撃談は旧校舎が多いからだ。
因みにピエロに直接話を聞いてやるんだと豪語してたのは2Bの伊藤、
その伊藤に半ば無理矢理誘われた2Eの水野という名前だ。
伊藤は旧校舎の2階、水野は1階を探した。
?:こんばんわ、先輩方
水:……蜜羽…
蜜:お1人ですか?
水:伊藤は2階を探してるよ
蜜:残念ですけど、今日、彼は現れませんよ
水:知ってるよ
蜜:燐紅から連絡もらってビックリしましたよ
水:俺は一応止めたんだけどな
蜜:彼が帰るのは明日です
水:休めるのは明日までか…
蜜:まぁ、俺は回収作業がありますけど
水:燐紅も回収か?
蜜:確か
水:俺は何も指示されてないが…
蜜:先輩には伊藤先輩を誘い込む役割が
水:早く言えよ
蜜:じゃ、ボクはこれから回収なので失礼しま~す(笑)
蜜羽。
ピエロの手下。
燐紅は仕事内容を知らないふりをした。
俺も知ってるけど、教えはしない。
俺も、ピエロの仲間だ。
俺の仕事は、獲物を迷路に誘い込む事。
伊藤、ゴメンな。
ピエロの言う事は絶対なんだ。
『NO』は認められないんだ。