学校に着き、俺は鞄を自分の教室1Eに置いて部室に向かう。
俺達の部室は以前使われていた教室。
掃除する前は埃まみれで酷かったな…。
魁:原田?
部室には当たり前だが原田だけだった。
原:…まぁ、座れ
珍しく表情が曇ってる原田。
お陰で無言電話のことが聞けなくなった。
何かを決心したような顔で原田は尋ねてくる。
原:驚かないで聞いてくれ。最近…変な夢は見ないか?
魁:…ん? まぁ、俺が暗闇に浮かんでる夢なら…。で、知らない声に起こされる
原:アリスって?
魁:何で分かる?
原:…やっぱりか。そろそろだと思っていた。ハァ…
原田は溜め息を吐いて頭を抱え込んだ。
一体何だと言うのだ。話が見えない。
原:近いうち、お前を迎えに燕尾服の執事が来るだろう。もし
燕尾服じゃなかったとしても胸ポケットにウサギのマークがついてるから分かる。
怪しいかもしれないが疑問に思わず黙って従え
魁:…………
原:その執事は俺らとは別世界…別次元に住む。アリスの国の住人だ
この男は真面目な顔で何を言う?
『アリスの国』だ? 大丈夫か、原田…。
俺は思わず憐れむ目で見つめた。
原:不本意かもしれないがお前はアリスに選ばれた。謂わばアリスは職種だ
そこで部室のドアが開き、他のメンバーが入って来た。
今日は早いお着きで…。因みにメンバーはクラスバラバラだけど同じ学年だ。
?:アリスの話してたのか?
原:あぁ。で、話の続きだ。迎えは執事じゃなくてウザギかもしれない
?:ウサギ? チェシャ猫じゃないの?
原:猫は気紛れで今回のアリスに協力するか分からない
チェシャ猫とかアリスとか丸っきり不思議の国のアリスだ。
まさか、ハートの女王とかトランプ兵とかも居たりして?
面白い世界なら飲み込まれても良いかもしれない。
退屈しない世界なら行きたいかもしれない。
この時の俺は何故かそう思った…――。