この間、弟の梛澄貴(ナズキ)が目覚めた。
兄貴の俺は嬉しいはずなのに何故か素直に喜べない。
同期で部下の木原に目覚めたことを聞いて病院に走った。
病室に入ってナズの名を呼んで手を握った。
ナズは起き上がって俺に言ったんだ。『ただいま…』って。
だから俺は泣きそうになりながらも『おかえり…』って返した。
そこまでは良かったんだ。そこまでは…。
でも、俺はナズのことを分かっているようで分かっていなかった。
ナズは俺と同じ★★警察の学生刑事で署長直属の部下で。
サクラ班の一員で。彼女たちと同じモデル事務所に所属してて。
『那洙(ナズ)』という名でモデルやってて。桃宮桜とイイ雰囲気で。
俺の入る隙間は無くて。生活安全課のディスクでテレビを眺めてる。
俺と同じ19歳になったナズ。4年も経ったはずなのにナズは変わって無かった。
いや、俺が知らなかっただけ…。
だって同じ課の後輩刑事・也下(ヤシタ)とナズが付き合ってたのも知らなかった。
ナズが病院に入院する前に別れたらしいけど…。
ナズは俺が居なくても大丈夫だって分かってるけど、でも…。
ねぇ、梛澄貴。俺たちはずっと双子のままだよね?