N○Kスペシャルで二夜連続で「日本のがん医療を問う」ということを放送していた。
患者、医療関係者、厚生省の方が参加して討論もあった。
病院へ行った時点で既に末期がんだった父。
患者さんの言葉の中にお医者さんや周りの家族が寄り添う気持ちがあれば、どれだけ救われるか
ということを言われた方がいた。
私自身父に寄り添うことはできなかったような気がする。
その言葉を聞いた時、もっと寄り添うべきだったと深く反省した。
あまりにも短期の闘病で逝ってしまったので、正直何が何だか自分でもよく理解できていなかった。
それでも父は同じ病気の人と交流したいと言っていた。それはやはりその病気になってみないとわからない
ことだらけで、いろいろ話をしたかったんだろうと思う。
父がかなり病状が悪化してから、叔母に「痛みというのがこんなに辛いとは知らなかった。もっと○○(私のこと)の辛さを理解してやらなければいけなかったな。」と言っていたそうだ。
私はRAの痛みはわかってもがんの痛みはわからない。
でも気持ちだけでも寄り添うべきだった。
そういうことよりもとにかく少しでも回復すること、そればかり考えていた。
父の命日が近付いている。
お参りにきて下さる方がいて、今日は小田原からわざわざいらした方がいた。
高校も大学も父の後輩だったそうである。
随分お世話になったと言われた。葬儀には来れなかったので、1周忌までにはどうしても伺いたかったと。
ずっと陸上部だった父。大会前にはうちでよく泊まったこともあるそうで、外観は昔と変わっていないので、
ここにあった部屋で寝ていたと懐かしがられていた。
高校の1回生だった父は先輩がいないので、後輩を随分面倒見ていたという話は聞いていた。
高校時代の同級生は定年になってきているけれど、丁度後輩が今はこの地域ではお偉いさんになって
いる人が多い。
有難いことに皆さんいつまでも父を忘れないでいて下さる。
ガン患者を家族に持った一人として、日本のがん医療が患者さんの望まれるように少しでも近づいて
欲しい。
患者さんはいつも死と向き合って生きている。
TVに出演されて生の声を聞いた厚労省の方はすべて持ち帰って検討すると言われていた。
どうか実行へ移して下さいと声を大にして言いたいです!