結論:抗酸化物質が癌の転移能を抑制する。活性酸素は癌を殺すが残った癌を悪性化させるのでは?
こんな研究がある・・・
ヒトの細胞にはミトコンドリアがある。
腫瘍細胞のmtDNA(ミトコンドリアDNA)を移植交換する実験をすると、高転移能の腫瘍のmtDNAを移植交換した腫瘍細胞は核のDNAが高転移能であろうとなかろうと高転移能が誘発された。
逆に低転移能の腫瘍のmtDNAを移植交換した腫瘍細胞は核のDNAが高転移能であろうとなかろうと、低低転移能であった。
そして、高転移能のmtDNAのミトコンドリアではROS産生が大幅に促進されていて、このROSを抗酸化剤で抑制するとがん細胞の転移能も抑制された。
(参考文献:Ishikawa, K., et al. ROS-Generating Mitochondrial DNA Mutations Can Regulate Tumor Cell Metastasis. Science 2008;320:661-664.)
これらの研究で分かったことは大きく2つである
1.癌の発生と悪性化は別問題で悪性化にはミトコンドリアの変異とROS産生が大きく関わっている
(ミトコンドリアは母系遺伝だが母系遺伝する癌は見つかっていない)
(ROS産生が癌の転移能獲得や悪性化でほぼ必要不可欠なステップである)
2.癌の悪性化は抗酸化剤で止められる可能性がある
(以下は私の持論・考察を含む)
抗がん剤はROSの産生を促進するというか、ROS(と似た)性質である。
だから抗がん剤を投与後、転移再発する例が多いのかもしれない。
特に癌は目で見えなくなったのに、突然再発し、一気に容態悪くなり亡くなる多い。
言うならば「抗がん剤は癌を殺すが悪性化させる」ということだろうか。
そしてがん治療ではROS産生を抑える抗酸化剤を積極的に投与することが大切になってくるだろう。
