苦しみは心のレベルに応じてやってくる | ”個が変わる””組織が変わる”コンサルティング橋本喜充

”個が変わる””組織が変わる”コンサルティング橋本喜充

メンタルブロックが外れ、心的ストレスが解放されると個の行動が変わる。

また、環境要因(情報・道具・報酬)が変われば、個の行動が変わる。

内的・外的要因が変われば、個の持てる力が発揮され、組織が変わる起爆剤となる。

ある実際に起きた事象を少し長いが説明する。

ある事象

  A氏がデータの入力ミスをしたとする。
  お客様からの指摘により、そのミスが発覚する。

  クレームが生じる。

  そのクレームを受けて、上司のB氏がA氏を詮索する。
  これ以外にもあったのではないかと。

  A氏はミスが発覚した原因を追究し、再発防止策を立て、
  それと同時に、お客様に電話し訪問して、
  ミスについて誠意をもって謝る。

  再発防止策を伝え顧客に安心していただく。

  これで「良し!」とA氏は考える。

  ところが、
  B氏は過去にも同じようなミスがあったのではないかと
  B氏が属する部門全体にミスがなかったか「調査しろ!」と指示する。

  B氏が「なぜその指示を出したのか」A氏に対して説明が無い。

  A氏とB氏に見解の相違が生じているが、
  A氏は一方的に調査を進めようとしている。

  A氏は、
  未来志向で現在を見つめることが大切と説き、
  ほぼ再発が起きないと思われる策を打ち、
  それでことが済む。
  という捉え方。

  B氏は、
  過去にもそのようなミスがあったかどうかを調べ、
  ミスがあれば過去に遡って、謝りに行く。
  これが誠実だとする考え方。

  どちらにも一理があるので、これだけでは良し悪しの判断はできない。
  お互いに話し合えば、お互いを尊重できる意見も出てくるかもしれない。

  A氏とB氏にコミュニケーションがないまま時が過ぎた。

事象の説明はここまで。

この事象の場合、A氏とB氏、
角度の違った見方であり、これに問題ない。
ところが、人や場所によって
判断軸がぶれだすと問題は生じる。

問題は、B氏は相手によって判断軸がぶれるときが多くある。
また、対策の打ち方にやり過ぎ感があり不信感につながることがある。

逆に、A氏も未来志向だからといって過去を顧みないのも問題となる。


A氏も問題は抱えているが、
A氏のように理不尽な対応が自らに生じたとき、苦痛は感じるか?

苦痛を感じる場合、それはなぜなのか?

それは、その人心のレベルによって生じるように考える。

自分の立場を守ろうと、あれこれと考える人は苦痛を感じる。
組織の観点から大きく捉えようとする人は分脈を考え深く考える。

苦痛とはその人の心レベルが関係していて、
どの視点から見るのかによって生じたり、そうでなかったりするようだ。

自分を離れた大きな視点、例えば組織の観点から理解する。
また抽象度の高い観点から見る。囚われがなくなる。

視点が大きく、高くなれば、苦痛は感じなくなり適切な判断が下せる。
相手のレベルも透けて見えてくる。


自分の周りに起きる事象に巻き込まれ、苦しみを感じるか否かはその人の心のレベル・視点に寄る。

心のレベルが高く、広く、深いものであれば、囚われは無く、苦しみも、悲しみも、憎しみも伴わないため、問題はいつの間にか消えてしまうようだ。