こんにちは。

 

前回の記事では、

「投資では、なぜ『予想しない』ことが大切なのか」

について書きました。

相場の先を「当てる」ことに依存するのではなく、複数の可能性を考え、実際に起きたことに対して、あらかじめ決めたルールに基づいて対応する。

そして、予想が当たったかどうかではなく、その状況で自分がどう判断し、どう行動したのかを振り返ることが大切だという話でした。

今回は、その考え方からもう一歩進めて、

「投資で勝つことより、『市場から退場しない』ことを考える」

というテーマについて書いてみたいと思います。


投資をする以上、利益を出したい

投資をする以上、利益を出したいと思うのは当然です。

できれば大きく利益を出したい。

できれば損失は出したくない。

そう考えるのは自然なことだと思います。

 

しかし、

「大きく勝ちたい」

という気持ちが強くなるほど、知らないうちに取るリスクも大きくなってしまうことがあります。

投資金額を増やす。

一つの銘柄や取引に資金を集中させる。

損失が出ても、「いずれ戻る」と考えて持ち続ける。

さらに資金を追加する。

こうした判断がうまくいけば、大きな利益につながることもあります。

しかし、想定とは反対に相場が動いた場合、その分だけ損失も大きくなります。

 

だからこそ私は、

「どれだけ勝てるか」を考える前に、「どこまでなら負けても投資を続けられるか」を考えること

が大切だと思っています。


損失をなくすのではなく、「致命傷にしない」

投資で損失を完全になくすことはできません。

どれだけ考えても、どれだけ経験を積んでも、想定とは違う動きをすることがあります。

前回の記事で書いた「予想しない」という考え方も、ここにつながります。

未来を完全に当てることができないのであれば、

「自分の判断が間違うこともある」

という前提で投資を考える必要があります。

大切なのは、一度も損失を出さないことではありません。

 

私は、

一回の判断ミスや一度の大きな値動きによって、投資を続けられなくなるような損失を避けること

のほうが重要だと考えています。

つまり、

損失をなくすのではなく、損失を致命傷にしない。

という考え方です。


どれだけ投資するのかも「投資判断」

投資というと、

「何を買うか」

「いつ買うか」

「いつ売るか」

に目が向きやすいと思います。

しかし、それと同じくらい重要なのが、

「どれだけ投資するのか」

という判断です。

どれほど自信がある投資でも、想定と違う結果になる可能性があります。

そこで資金の大部分を一つの判断に投入していれば、その判断が外れたときの影響も大きくなります。

 

反対に、

「この取引でどこまで損失を許容するのか」

「この判断が間違っていた場合、資産全体にどの程度の影響があるのか」

を事前に考えておけば、結果が想定と違っても次の判断ができます。

投資対象を選ぶことだけが投資判断ではありません。

どれだけの資金を使うのか。

どこまでリスクを取るのか。

どこまでの損失を受け入れるのか。

こうしたことも含めて、投資判断だと思っています。


「取り返したい」という感情にも注意する

もう一つ、損失が出たときに注意したいことがあります。

それは、

「早く取り返したい」

という気持ちです。

例えば、10万円の損失が出た。

すると、

「次の取引で10万円を取り返したい」

と考えてしまうことがあります。

その結果、普段より投資額を増やしたり、いつもなら見送る場面で取引したりする。

しかし、その次の投資と、前回の損失は本来別のものです。

 

相場は、

「前回10万円負けたから、今回は10万円返してあげよう」

とは考えてくれません。

損失を取り返したいという感情が強くなるほど、自分で決めたルールよりも感情が優先されやすくなります。

だからこそ、損失が出たときほど、

「次に勝たなければ」ではなく、「いつも通りの判断ができているか」

を確認することが大切だと思います。


一回ではなく、「何回続けられるか」を考える

投資機会は一度だけではありません。

今日もあります。

来週もあります。

来月もあります。

来年にもあるでしょう。

だから、一回の投資ですべてを決める必要はありません。

仮に何回か判断を間違えたとしても、それでも投資を続けられるだけの資金が残っていれば、次の機会に参加できます。

反対に、一回の大きな利益を狙って過大なリスクを取り、資金の大部分を失ってしまえば、その後にどれほど良い投資機会が来ても参加することができません。

 

つまり、

市場に残り続けるためには、「負けることもある」という前提で資金を管理する必要がある

ということです。


勝率だけでは、投資の成果は決まらない

投資では「何回勝ったか」も気になります。

10回投資して8回勝った。

勝率80%。

一見すると、とても良い結果に見えます。

しかし、8回の利益が小さく、残り2回で非常に大きな損失を出していれば、全体ではマイナスになることもあります。

反対に、勝率がそれほど高くなくても、

損失を一定の範囲に抑えながら、利益が出る場面ではそれ以上の利益を残すことができれば、全体としてプラスになる可能性があります。

 

だからこそ、

「何回勝ったか」だけではなく、「勝ったときにどれだけ利益を残し、負けたときにどこまで損失を抑えたか」

を見る必要があります。

ここでも重要になるのが、自分なりのルールです。


リスク管理も、決めるだけでは意味がない

「この金額以上は投資しない」

「ここまで損失が出たら手仕舞う」

「一つの取引に資金を集中させない」

こうしたルールを決めることはできます。

 

しかし、前回までの記事でも書いてきたように、

ルールは、決めるだけでは意味がありません。

実際に損失が出たとき。

自分の予想とは違う方向へ相場が動いたとき。

「もう少し待てば戻るかもしれない」

と思ったとき。

そこで決めたルールを遂行できるか。

リスク管理も、最終的には**「決めたことを実行できるか」**という問題につながってきます。


「市場から退場しない」という考え方

投資では、大きな利益を出すことに目が向きやすいと思います。

しかし、私はそれと同じくらい、

「市場から退場しないこと」

を大切にしています。

損失が出ることを前提にする。

一回の判断に過大なリスクを取らない。

損失を取り返そうとして感情的にならない。

自分なりの資金管理とルールを持つ。

そして、決めたルールを遂行する。

そうして資金を残すことができれば、次の投資機会にも参加することができます。

投資を続けられること自体が、次の可能性を残すことにつながる。

私はそう考えています。


利益を出すことと、利益を残すこと

ここまで考えてくると、もう一つのテーマにつながります。

投資では、

「利益を出すこと」と「利益を残すこと」は、必ずしも同じではありません。

大きな利益を出しても、その後の投資で大きく失ってしまえば、資産として残りません。

では、

「利益を出すこと」と「利益を残すこと」には、どのような違いがあるのでしょうか。

次回は、

「投資で利益を出すことと、資産を残すことは違う」

というテーマについて書いてみたいと思います。

投資をされている方にとって、何か一つでも参考になることがあれば嬉しいです。