THE END OF LOST 序章 | マシュレポ(@ω@)y-゚゚゚

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炎がある


 積み木の様に掻き集めた木片を糧にし
小さく燃え上がる火が暗闇を照らす 


 灯火が消えれば闇が光を飲み込むだろう 


 ソレは闇だけとは限らない
太陽が反転した月下の世界において気温も逆転し暗闇に晒す者から温もりを奪いその身を凍らせる 


 光の象徴が炎ならば
対である氷を象徴とするのは闇だろうか?


 頭に懐かしき顔が浮かんだ 

炎の様に熱くたぎらせた心の持ち主、友の顔を

ふと視界に映る焚き火に不思議な感傷を覚える


 光はいつ消えてもおかしくないのに

この旅を初めて、どれ位の時が流れたろうか? 


夜を迎える度、この手の作業に随分と手慣れた物だ


焚き火が辺りを灯す間に意識は安息の眠りに着いた事だろう


只、最近になって眠りに付く事が以前より出来なくなった 


 この温かみある焚き火とは似ても似つかない
破壊の炎が焦土となって世界を包み込もうとしている


その後は何も残らない絶対冷温の闇が支配する死の世界が訪れる事は確信出来た 


 ソレは即ち、私自身が抱える問題にも重なった

 そう‥私に残された時間は少ない
今にも消えんとする小さく灯し続ける炎の様に


 炎の勢いが戻った

何者かの気配を感じる

彼か?
いや彼とは比べ物にならない


 温かみのある筈の焚き火の炎が周囲を焼き尽かさんばりの勢いに身構えると同時に懐かしさすら込み上げる。


 足音は国一刻、時を刻む様に近付く

私は思わず声に出し笑みさえ浮かべた


「ここで会うは久しく顔を合わす彼だと思っていたがまさか、貴方から来るとは‥」


足音が止んだ。不思議と恐怖は無かった