喫茶のために薬缶登場

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この宣徳窯で作られたのが朱泥急須、いわゆる万古焼です。



これは茶灰汁の吸収力がよいため、お茶の味をよくするといわれています。



日本で煎茶を積極的にとり入れたのは、黄桀宗の禅僧をはじめとして、儒者、文人、南画家などのいわゆる文人墨客達で、十七世紀中ごろからです。



これに伴って急須の国産も始まり、最初に手がけたのは京都の清水六兵衛でした。



それと同時に湯わかしも、罐子から薬缶に替わってきました。



罐子は青銅や真鍮で作られた弦のついた釜、薬缶はこれに注ぎ口がついたものです。



室町時代ごろから使われていましたが、最初は薬を煎じるためのものでした。



しかし江戸時代の初めごろには、すでに湯わかし用となっていたようです。