東京地裁がマクドナルドの店長を管理監督者と認めず。
今日、東京地裁で判決がありました(詳しくはこちら とこちら )
記事を見る限り、この判決にはいくつかのポイントがあります。
①店長としての職務以外に自らシフトに入り店を運営している
②新メニュー開発・販売権がない
③経営者と一体となって経営に参画している責任があるか
④管理監督者として優遇されているか
⑤一部の店長は部下より給料が安いという点
⑥品質管理・売上管理等以外に調理や接客など実務を行えば管理監督者ではないという点
⑦スケジュールは作成しても労働時間の自由裁量が認められていないと言う点
⑧社員を採用する権限がない
以上です。
そして判決では管理監督者を「経営者と一体的立場で労働時間の枠を超えてもやむを得ない重要な権限を持ち、賃金が優遇されている者」と判断しています。
法律的にはどうでしょう。
管理監督者を定めた法律は労働基準法41条2号の「監督もしくは管理の地位にある者(管理監督者)」が根拠になっています。
解釈は「一般的には部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にあるものの意であり、名称にとらわれず実態に即して判断すべきものである。」(昭22.9.13発基第17号、昭63.3.14基発第30号・婦発第47号)。
わかりにくいですね。あまりにも曖昧で。
また、表記的に部長、工場長しか記載されていませんから法解釈の仕方(実態に即すという曖昧な基準)で判断が分かれます。
この件については、非常に詳しくわかりやすく説明されているサイトがありますので、そちらを参考にして下さい。
リンク先のホームページをいくら読んでも、上記にあげた判決のポイントは”どこにも”ありません。
判例を見ればいかに曖昧な判断基準で判決が出ているのかがわかります。
判決に関しては東京中小企業家同友会の豊福雅典さんが 4つのポイントをあげられています。
1) 企業の人事労務管理方針の決定に参画し、経営者と一体的立場にあること。
2) 労務管理上の指揮監督権を有し、一般従業員を事業主に代わって使用するものであること。
3) 自己の勤務について自由裁量権限があり、出退勤について就業規則上、および実態上厳格な制限を受けない地位にあること。
4) その管理監督的地位に対して管理職手当など特別な給与が支給されていること。
以上のような事は通常の外食だけでなく販売業の店長でも対象になるはずです。
しかし判例では”営業時間である午前11時から午後10時までは完全に拘束されて出退勤の自由はなく、仕事の内容はコック、ウエイター、レジ係、掃除等の全般に及んでおり、ウエイターの労働条件も最終的には会社で決定しているので、管理監督者にあたらない”となってしまいます。
●スケジュールを自分で作成し、お客様の為であろうが店が混乱していようが手伝ったら(業務を行えば)アウト!
●採用条件も会社が決めたらアウト!
●年上で経験者で実績がある高給な年長者を雇用して、年下の店長の店舗へ配属されたらアウト!
●新メニューを勝手に作って売れなければアウト!
●社員を勝手に採用できなければアウト!
無茶苦茶ですね。
これでは建築現場の監督なんて一発でアウトでしょう。
飲食店の店長のほとんど、もしかするとSVや部長クラスもアウトですね。
私が判決を捻じ曲げて解釈しているのかもしれませんが、一般的な飲食店では店長権限は大幅に認められています。
スケジュールも自分で作成し、パートアルバイトを管理監督、教育指導し、評価や昇進・昇給の評価も行い、新メニュー提案も行っています。
こんな判決がまかり通ってしまえば、サービス業、製造業含め大混乱でしょう。
今後の流れに目が離せません。
☆------------------------------------------------☆
広告・宣伝・既存顧客の囲い込みに困っていませんか?
集客アップ、再来店増のお手伝いをさせてください!
携帯販促システム「ココなび.com」
http://www.valhalla-network.com/coco-navi.html
☆------------------------------------------------☆