4月になり、他店舗からベテランコーチが配属が変わり、移動してきた。
成人コースに入ってもらっているが、先日こんなことを言っていた。
「ここの成人の方は、初級でもみんなとても姿勢がいいね」と…。

この言葉は、わたくしにとっては一番うれしい一言である。
毎日、毎日指導していると、どうしても小さな変化や1年前に比べての成長ぶりに
気づきにくくなってしまう。
たまに、新しい方が入会してくると、気づくのだが…。「他クラブで10年以上泳いで
ました!4種目泳げます」みたいな方が入ってきても、感じるものがある。
『うちの方々は、基本姿勢がよくとれているな…』と。

水泳における基本姿勢は、ストリームラインである。いわゆるけのび姿勢がきちんと
とれていないと、いくら部分部分のストロークやキックがよかったとしても、全体として
機能しない。
このストリームラインづくりには、かなり時間をかけるし、上級になっても1時間の練習
のうち、必ずどこかでストリームラインを入れる。けのび練習をするのである。最初に
やる時もあるし、loosen的に途中に入れる時もあるし…泳ぎの中でけのびを取り入れる
時もある。例えば、25mのフリーをやっていて、20m泳いできてラスト5mは腕も足も
止めて、壁までけのび姿勢で惰性で進みましょう…とかいう感じだ。これを、中間で5秒
けのび~とかの時もある。
そうすることで、泳ぎながら姿勢がくずれボディポジションが低くなっていることに気付く、
途中で立て直そうと考えられるようになっていくのである。

ストリームラインは、わたくしは4点をポイントにする。①手の甲、②肩甲骨、③おしり
④かかと…この4点が水面に出るように浮きましょう!と。できれば、けのび(壁をけって
進む)ではなく、その4点を意識してその場でストリームラインをつくって浮く(伏し浮き)
ことができればよいと考える。その場で10秒間浮きましょう!
大抵の男性は3,4秒で脚が沈んでいってしまう。女性もそうだ。
そこを姿勢を意識させ、力まずに背伸びするように姿勢をとり、腰を反らさずに浮くように
意識させると、浮心と重心が一致してくる。浮心と重心がずれている限り、浮くことはでき
ない。伏し浮きができたら、背面浮きである。これがまた難しい。つま先までしっかりと
浮ける方は少ない。

このストリームラインをいかに崩さずに泳げるか!? 泳ぎの中でいかにストリームライン
を保てるか!? が、泳ぎの上達のカギであろう。

子どものスクールなどでも、水慣れから泳ぎになりかけるころ、けのび5mとかの進級
項目が大抵のスクールではあるであろう。そこで学んだけのびは選手になっても、爺様に
なってもスタート後に必ずけのびをする時に使う。そう考えると、初期のけのびの指導は
重要である。壁をけった勢いでいってしまえばよいわけではない。

というとこで、泳いでいる方々はストリームラインを大切にして泳ぎましょう。指導している
方々は、ストリームラインの重要性を再認識してみましょう!