スイミングスクールは、習い事の多様化や学習塾、英会話教室などの台頭にも負けずに、調査会社等の調査によると「子どもの習い事は?」という調査では30%前後を得ていて、一番だと言われて久しい。

日本にスイミングスクールが現れて、およそ40年余り。当時は、電車にのって子どもたちが通っていたものです。それから20年くらい過ぎたころでしょうか・・・送迎バスが出現しました。これも、スイミングスクールの数が多くなり、また郊外にもでき始めたこともあり、集客や競合との差別化などから送迎バスを導入し始めました。

指導のカリキュラムや進級段階、指導法などはそれぞれのクラブ、スクールによってさまざまですので、一概にどれがどうだ…良いの悪いの…などとは言えません。

もちろんスイミングスクールなので、水泳の上達ということがまずは重要な要素です。健康のため、オリンピックを目指すため…目的は様々でしょうが、いずれも水泳技術の向上ということは、スイミングスクールにおいても、習っている側にとっても重要な要素の一つであることには違いありません。では、それだけでスクールも、習わせる保護者側も満足するのでしょうか?


あるアンケートによると、保護者のスイミングスクールに寄せる期待は、水泳技術のほかには、「規律・けじめを覚える」「集団行動、団体行動を通して成長する」などという社会教育的なことを期待しているというものが上位に上がっています。

これもスイミングスクールの特徴として、学校などと違い練習するグループが泳力別による縦割り班で行うところが多いからということも言えます。1年生だけの練習グループ(班など)ではなく、1年生も3年生も、4年生も同じ泳力であれば同じグループ(班)で練習するということからもそういう期待をされるのでしょう。

では、スイミングスクールはそのような保護者の期待を理解して、単なる泳法指導だけでなく、規律やけじめなどを意識して指導しているでしょうか?もちろん、スクールのお約束なんて言って、基本的事項を守らせるようにしているでしょうが、それをいわゆるスクールの“ウリ”として謳い、システム化しているようなところは少ないと思います。

これからは少子化などの影響により、ますます競合との競争が激化すると思います。気の利くコーチだけの個人的な社会教育に任せることなく、スクール(クラブ)としての取り組みを強化していき、スイミングスクールの存在価値をさらに高めるように努力することが重要ではあると思います。

はじめに述べたアンケートの話ですが、スイミングスクールが長年習い事のNo.1に君臨している理由としては、単にスイミングスクールのキャパが大きい…ということもあるのです。サッカースクールやダンススクールは、1度の受講生が20人程度なのに比べ、スイミングスクールは60人~100人を一度に指導できます。

習い事No.1にあぐらをかかずに、参加者である子どもたちのことを考え、システムを現代に合わせて変更していくことも、今後のスイミングスクールには必要であると考えます。また、それがスイミングスクールとしても、会員維持や獲得、増収増益につながるものと考えます。