水泳指導をする場合、もちろんですが、水泳の知識は必要です。しかし、それだけでは、よい指導なんてできません。いくらすごーい知識があっても、それを伝えるコミュニケーション能力、伝達力…などが備わってなければ、なりません。

難しい話は、今後、おいおいしていくとしましょう。

思えば、自分が初めて水泳指導に入った時、一体何をしたでしょうか・・・思い出すと・・・ただ立っていただけのように記憶しています。緊張と楽しさとで、子どもに話しかけ、ちょっと注意なんかしちゃったりして、でもどう動いてよいかわからずにいたように思います。
さて、コーチの立ち位置、立ち方、子どもへの話し掛け方…などで、見栄えはすごく変わりますし、子どもからの信望も変わってきます。
練習コース内での、コーチの立ち位置の大原則は、『死角をつくらない!』ですね。 安全最優先である水泳指導において、死角は絶対にNGです。
そして、常に対象者全員を1回のパンで見回すということです。パンとは、カメラを回すような動作のことですね、よくT.V.とかで、「右にパンして!」とか言うでしょう・・・そのパンです。
エクソシストの女の子のように首が1回転できるような人はいないので、通常左右に180度しか首は動かせません。いったとして200度のパンが限界です。200度のパンの中で、対象者全員を見渡せるようにするには、見渡せる位置に立たなければなりません。子どもに背を向けていては、200度のパンの中では子どもは見ることができなくなります。練習中、要所要所でこの位置に立ち、全員を目視しましょう。
360度を見渡すには、自分が1回転すればよいのです。必要であれば、ジダンのごとくルーレットターンをしましょう。そうすれば、360度を見渡せます。補助をして、押し出したりした延長でルーレットターンをすればよいのですよ!

さて、立ち位置や見渡し方、練習エリア内の移動などは、コーチの横の動きですが、時には上下の動きも必要なのです。
1mちょっとの水面に対し、170センチのコーチが立っているのであれば腰から上は水面上に出ていることになります。泳いでいる子どもは、顔はもちろん水面付近です。そこから、コーチを見上げているのです。そりゃ大きく見えることでしょう・・・大きいどころか、とても威圧的に感じていることでしょう。そこで、上から見下ろしながら、「もっとキックを強く~!」とかって、言ってみると萎縮してしまう子もいることでしょう。または、「うまくなったね~」と褒め言葉を掛けてあげても、上から目線では素直に聞き入れられない場合もあります。そういう時は、コーチがしゃがんであげて、顔が水面に近付くようにすればよいのです。笑顔で、目をみて「うまいぞ!」って、褒めてあげれば子どもにしっかり伝わることでしょう。順番待ちでふざけているような子どもがいたら、目一杯背伸びをしたり、時にはジャンプをしたりして、注意をしなくてはなりません。この動きが、コーチの上下の動きになります。

横の動きと、上下の動きをバランスよく行ない、練習エリアを縦横無尽に動ければ、コーチの動きが大きく見えるし、それに加えてゼスチャーや表情がうまくミックスすると、よいのです。ゼスチャーや表情の話は、またの機会に・・・。

立派な指導者を目指したいかけだしコーチは、横の動きと上下の動きを意識して、指導にあたってみてください!
ギャラリーで、わが子を見守る主婦の方々は、コーチの動きをチェックして、ベテランか新人か、安心できるか・・・などを見定めちゃうのもありかも!です。

ほなっ!