さあ、いよいよ クロールの呼吸です!


いい姿勢と、いい腕のかき、いいキックができても、呼吸ができなければ、がんばっても50m程度でしょう・・・・それ以上は撃沈することになるでしょう。


さて、水泳でいう“呼吸”とは、2つの局面から考えてください。


①文字通りの呼吸(吸って~吐いて~吸って~吐いて~)という、空気(酸素)の循環。

②呼吸するために、口と鼻部を水面上に出してから、戻すまでの動作。


の二つです。①の呼気と吸気の作業をうまくできたとしても、②の呼吸するための主に頭部の動きがきちんとできないと、吸うものも吸えません。また、②の頭部の動きがうまくできたとしても、そのわづかな瞬間に、「ハァ~!!」って息を吸うことができなければ呼吸は成立しません。


まずは、①の空気の循環作業について話をしましょう。

今、PCに向かってこのblogを呼んでいる間も、さっき電車に乗っていた間も、ししゃもをかじり、ビールを飲んでいる間も、寝ている間も、カラオケで熱唱している間も・・・呼吸をしていますよね?日常生活の中で、呼吸を止めている瞬間って、中々ないと思います。

水泳もそうなんです。呼吸は、人間が生きるために必要な動作です。ですから、泳いでいる時には呼吸を止めている!というような、生命に影響を及ぼすようなことはしません…しないでください。準備体操している時も、泳いでいる時も、同じように呼吸してください。

しかしながら、ヒトは残念ながら水中では、吐くことは出来ても、吸うことはできません。ですから、陸上に居る時のように、完全に無意識で呼吸をするわけにはいかないのです。水泳中は、意識しながら、呼吸をしなければなりません。これを「意識呼吸」とか、制限があるので「制限呼吸」などと言います。


水の中(顔が水に浸かっている間)では、“吐き”ます。基本は、鼻から一定量をス~ッ!と吐きましょう。力まずに、口から出ちゃっても構いません。

そして、顔が水面上にあがった瞬間には、ハァ~ッ!と、口から吸います!


さあ、簡単そうに書きましたが、そう簡単にはいきません。「どうしても、吸えないのよ~!」という声を多く聞きます。そうなんです、吸おう、吸おう!と思っても、思うように吸えないんです。これには、コツがあります! “呼吸とは、吐ききった反動で吸うものなのだ!”


実験してみましょう!

3・2・1・ゼロ!とカウントダウンの後、瞬間的に息を大きく吸って息を止めてみてください。

(深呼吸のようにゆーっくりではないですよ・・・)

次には、

3・2・1・ゼロ!とカウントダウンの後、瞬間的に息を一気に全部吐ききって息を止めてみてください。


呼吸を吐ききってから、止めるって難しくないでしょうか?吐ききった瞬間には、ついその反動で息を吸ってしまっていませんか?その反動を使って、水泳中の呼吸をするのです。


ゆっくりとクロールで泳いだ場合、3~4秒間で一度呼吸をします。その3~4秒間は、水中で鼻からス~ッ!と吐き続けます。そして、顔をあげる寸前に、残っている息を一気にブヒーッ!と吐ききるのです。これを「爆発呼吸」といいます。このブヒーッ!と吐ききることができるか、できないか…が、呼吸ができるか?できないか?に大きく関係してくるのです。


ここまでは、お風呂でも練習できるので、実験してみてください。


頭の動かし方に関しては、後編でお話いたします!