駆ける欠ける翔る
少女は一人独り火鳥
闇夜を照らす炎の翼を身に纏い
少女は独り蒼空を翔る
たとえその身が欠けたとしても
少女は虚空を舞い踊る
その炎は
儚くとも美しい【いのちのかがやき】
少女は自らの魂を燃やし
炎の軌跡を大空に刻み込む
刻み込まれた軌跡を起点に
世界の原初たる混沌が溢れ出す
嗤う笑うワラウ光
啼く泣くナク闇
光と闇が混ざり交じり合い
あらゆるモノを破壊し呑み干す
原初の大爆発が巻き起こる
さすれど世界に
疵・傷・キズはなく
少女が1人滅んだのみ
~Fin~