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第三章の続き
前回の続き


その頃、陣内唐基と山元五十次は、北朝鮮と日本政府の内部に、関連して居る人物の事を調べて居た。

しかも、陣内が気に留めて居る、津嘉山広幸成る人物の身辺を捜査する為に、以前、山元が訪れた早稲田大学に行き、理工学術院の生命医科学科と云う部所を訪ね、その後の彼の消息の行方を伺う事にした。

「理工学術院の生命医科学科?!」

山元が、ハッとした顔して居るのを見掛けた、陣内は

「どうかされましたか?」

陣内に、尋ねられた山元は

「いえ、確か、この所属部は、以前に尋ねた事が有りまして、嘗て、同じ人間が、理工学術院の生命医科学科に居た事を思い出したんです!」

陣内が、その所属部の標札を見上げ

「この所属部に、属して居た、人物をご存知なんですか!?」

「はい!」

「おやおや、その方の人物は、何と仰るのですか?!」

「志垣聖二です!
彼は、早稲田大学のエリートで、理工学術院の生命医科学科に所属して居た人物です。
それで、こちらに、一度か二度、足を運んだ事が在りました」

「なるほど、そうでしたか」

山元は、過去に、志垣聖二を取り調べて居る時に、その彼の精巧な技術は、何処で培ったものなのかと、何度も山元と大武が足を運んだ場所だった。

「もしかすると、陣内さん!
志垣聖二と津嘉山広幸は、繋がって居ると睨んだ方が良いのですかねぇ?」

「おそらく、そう思って、間違いはないでしょうねぇ!」

そして、その所属部に、陣内と山元が訪れると、当時、同じ研究員をして居て、今は、理工学術院の生命医科学科の現教授と成り、顧問を受け持って居る、渡辺常彦と云う人物に会う事に成った。

「私、警視庁捜査一課強行班係の山元と言います。
それから、こちらが…」

「同じく、陣内と申します。」

「あぁ、以前、志垣聖二の事で、訪ねて来られた、山元さんですね。
ご無沙汰して居ます。
今日は、どんなご用件で?!」

山元が口を開こうとした時、陣内が傍若無人にも割って入った。

「実は、今回は、津嘉山広幸と云う人物についてお伺いしたのですが、ご存知でしょうか?」

「津嘉山…広幸…!?
あぁ、彼は、もともと、我々とは部所が違いますよ。
彼の研究は、細菌ウィルス学が専門分野でね、時々、志垣と色々な話して居た見たいですけどね」

キョトンした、山元は

「部所が違うと仰られますと?!」

その渡辺が、言うには

「此処は、人体関係が専門分野で、余計な細菌やウィルスが入り込んで仕舞うと、我々、研究員にも感染して仕舞う恐れが在るので、研究部所は、別々に成って居るんですよ」

陣内が、首肯し

「あぁ、そうでしたか、それは、申し訳ない。
では、何処へ行けばよろしいのでしょうか?」

「それなら、私が、案内しますよ。
これから、その細菌ウィルス専門の研究部所に行く所ですから」

そういうと渡辺教授は、陣内と山元を連れて、歩きながら話しをして、細菌ウィルス研究部所に案内した。

「しかし、刑事さんたちも大変ですねぇ、前回の志垣の件でも、色々在ったでしょう?」

話しを渡辺から、振られた山元が

「ハハハ、確かに、恐れ入りました。
まさか、この日本と云う国で、あんな事件が実際に起こって居るとは、思いもしませんでしたからねぇ~」

渡辺も、にこやかに話す。

「そうでしょうねぇ~、我々も、驚いたぐらいですからねぇ。まさか、志垣聖二が、あのような事件を起こすとは、思いも寄りませんでしたよ!」

それに、気に成った、陣内が

「あのような事とは、なんですか?!」

陣内が、聞き返し尋ねた。

「陣内さんは、知りませんか!?」

渡辺教授が訊くと

「私は、何も聞いて居ませんが!?」

と惚けて言う陣内に、渡辺教授が

「こちらの刑事さんは、ご存知ないのでしょうか?!」

山元が、小さい声で、陣内に

「『大河内さんから、お聞きに成られませんでしたか?!』」

フッと、陣内は思い出したかのように

「あぁ、例のサイボーグの件ですかねぇ!?」

わざとらしく言う、陣内に

「そうです!
私もあれには、驚愕しましたねぇ。
前から、ちょっと偏屈なところが在ったから、その内に、何かやらかすんじゃないかなぁと、思ったんですよ。
あ、此処です!」

案内の渡辺が立ち止まり、手を差し伸べて、細菌ウィルス研究室の前の所属部所に、辿り着いた。

「それでは、ごゆっくり!
私はこれで…」

用件を済ませた渡辺教授は、研究部員に資料を渡してから、そういうと陣内と山元を残して去って行った。

敢えて、山本と陣内は、警察手帳を見せて、颯爽と単刀直入に、陣内が質問する。

「着かぬ事をお伺いしますが、此処ではどのような研究をして居るのですか?」

と訪ねる陣内に、此処の顧問を受け持って居る、田辺俊樹と云う人物の教授が、言うには

「此処では、あらゆる細菌ウィルスを研究して居ます。
もちろん、危険な細菌ウィルスの研究もして居ます!」

田辺教授は、淡々と言う。

「いきなり、差し出がましい要で、唐突で申し訳ないのですが、津嘉山広幸と云う人物は、ご存知は無いでしょうか?」

と陣内が訊く。

「津嘉山…広幸…ですか?


一瞬、考え込んだ田辺教授は、思い出したかのように

「あぁ、確か…、同期で居ましたかねぇ!?」

山元が、敢えて訪ねる。

「ところで、彼は、どんな研究をして居たのでしょうか?!」

田辺教授は、少し悩んだ挙げ句、多少、顔をしかめながら、重い口を開いた。

「実は、先程、刑事さんたちを案内して来た渡辺教授と私は、同期生でしてね、志垣グループと津嘉山グループとに分かれて研究員をして居ました。
お互いに、プロジェクト見たいな事を別々の専用部所で遣って居たのですが、そこで、志垣グループは、人体研究と云う項目で、人体の各骨格を人口骨や人口軟膏などを、如何にして高度で精密度な質の良い物質で作り上げる事が出来るか等の研究を専門で遣って居て、我々の津嘉山グループは、いわゆる、殺人ウィルスやインフルエンザ、大腸菌、O-157などの感染ウィルスの細菌研究を専門にして居た分けです。」

と田辺は話す。

「その結果、ウィルスの研究はどうなったのですか!?」

「結局、その研究は破棄されました。
しかし、重要な研究レポートの書類は、津嘉山が持参して居るんだと思います。
何だかんだ言っても、彼が一番、熱心に研究して居ましたからねぇ」

と田辺は言う。

「なるほど、その彼の行方を知って居る方は、他に、誰かお見栄に成るのですか?」

改めて、陣内は訊く。

「さぁ、詳しい事は、私も解りませんねぇ?!」

田辺は、他は知らないと言う。

「そうですか、それ困りましたねぇ。
もう少し、詳しい事が聞ける思ったのですがねぇ!?」

陣内がそう言うと、田辺は

「刑事さん?
もしかして、私を疑っていらっしゃいます!?」

「いいえ、滅相も在りません。
そんな風に聞こえましたか?」

「ですよねぇ。
それだけで、疑われたら堪らないですよ。
只の研究グループですからねぇ」

また、陣内は唐突にも、話題を変える。

「ところで、これは、何の研究ですか?」

と訊く陣内に

「あぁ、これは、ワクチンですよ」

と田辺が言う。

「ワクチン?
どんなワクチンなんですか?」

「一応、インフルエンザとか、O-157とか、大腸菌などに、効果のあるワクチンを研究して居ますが、何か不審に思われましたか?!」

「いえ、別に…、そうでしたか?」

陣内は、田辺教授も津嘉山広幸と、何等かの関わりは在ると睨んだ。

そして、山元は、田辺に、以前に訊いた志垣聖二の事に絡んで、その津嘉山広幸なる人物の出生を確めて見た。

「ところで、田辺教授、もう一つお聞きするのですが、志垣聖二が、在日コリアンの帰化人って知ってましたか?」

田辺は、キョトンとした顔をして

「えっ!?
彼は、在日コリアンだったんですか!?
それは、初耳ですよ!」

驚いたように、田辺は応える。

「えぇ、まぁ、調べてから判った事なんですけど、ご存知ではなかったのですか?」

落胆とした顔して

「今、刑事さんに聞かされて、初めて訊いたんで、驚いたんですよ!」

その様子から見る分には、本当に田辺は、知らなかった様で在る。

しかし、陣内は、田辺の仕草を観察し、疑問視する。

「では、志垣聖二と津嘉山広幸に、何か不自然な雰囲気と云うのは、なかったですかねぇ?」

と山元に訊かれた、田辺は、思い出したかの様に

「そう言えば、たま~に、分け解らん、言葉を喋る時がありましたかねぇ?」

と田辺は、言う。

その山元の質問の後に、陣内が尋ね

「あと他に、思い当たる伏しは、在りませんでしたか?」

陣内が、もう一度、確める。

「在りませんねぇ!」

田辺は、言う。

「そうですか、ありがとうございました!」

それから陣内は、山元が田辺に質問して居る間だけ、研究所を一通り見回したあと、山元と一緒に研究を出た。

そして、もう一度、案内してくれた渡辺教授の所へ行き

「先程はどうも。
後、もう一つだけ、お聞きしたいのですが、志垣聖二と津嘉山広幸が会話する時に、日本語で喋って居ましたかねぇ?」

一瞬、渡辺も、キョトンとした顔をして

「はい?!
日本語で喋って居たかって?
刑事さん、どう云う意味何ですか!?」

「実は、先程、田辺教授が、日本語で、会話をせずに、たまに違う言葉で喋って居たと言われるんもんですからね?」

と山元から言われて、渡辺も思い出したかのように

「そう言われて見れば、確かに、日本語とは違って居たかな!?
余り、記憶は定かでは在りませんがねぇ?」

と渡辺も言う。

そして、陣内が

「そうですか、田辺教授も仰られ居たのですが、やはり、時より日本語とは違った言葉を話す時が在ると言うんですね?」

と訊く。

「えぇ、本当に、たま~にですけどね。
何にか、日本語とは、違う発音でしたねぇ?」

薄ら覚えの記憶から思い出し、渡辺は言う。

「色々、ありがとうございました!
また伺う事が在るかも知れませんが、これで我々は、引き上げますかね」

「そうですね。
それでは、教授、今日はこれで失礼します!」

それだけを言い残して、山元と陣内は早稲田大学理工学術院の生命医科学科研究所を出て、本庁に戻った。