今日は、

あれから彼の傍に


彼のお母さんと一緒に

付き添っていた。


けれど、

午後からは大学に行って…


それから、

また病院に行って…








でも、彼は何度私を見ても

思い出してはくれなかった。



ただ、軽い会釈…

他人行儀で




その行為に涙が出そうだった。



彼のお母さんにも、

直ぐに思い出すから…と

思い出したら、

これをネタにこらしめてやりなさい、と


私を笑わせてくれた。





お母さん…

私はあの時どんな顔でしかた?


お母さんに気を使わせる程

ひどい顔だったでしょうか…












その日は、

医師からもお母さんと共に


お話を聞かせてもらった。



彼は断片的に

記憶を無くしてるらしい



医師が彼に質問した話では


子供の頃…

大体中学迄の記憶は

断片的に残っているらしい。



それから、

高校…大学との記憶が無い。




丁度、

高校時代は私と彼が

付き合った時期だ。




そこが、消えている…




どうして?

消したかった記憶だった?


そんな暗い事ばかりが

頭を侵食していく…













今日はなんだか、

色々ありすぎた…



もう寝よう。

そして、また…



明日

彼に会おう。


先程、彼が目を覚ました。


虚ろな視線で私を見つめて

言われてしまった…








きっと、

胸のもやもやは


これの事だったのだ。







「此処は……君は誰?」


事故で頭を強く打った為に

医師からは

万が一に記憶喪失も

考えられる、と



教えられていた。







それが現実になるなんて…

夢にも思わなかった。












ううん、何より


彼が私に向けて言った言葉が


凄く衝撃的で……




一瞬にして、

目の前が真っ暗。

頭の中は真っ白。



何も考えられなくなった…















彼にはもう

私への言葉は


聞けなくなってしまうのだろうか





いや、

どんな事があっても…



私は彼を支えよう。


彼の笑顔が見られれば、

私は満足だ。




現在、

手術が無事に終わった。



彼の傍らで、
彼の寝顔を見ているのに


何処か落ち着かない。




手術は成功した。

何も病気な訳ではない…




ただ、大きな事故に

彼が巻き込まれてしまっただけ…



そして今、

彼は無事に私の傍らで
眠っている。





安心出来る筈なのに、

この妙な胸のもやもやは
なんなのだろう?










早く、早く目覚めて


目覚めたら
私の名前を呼んでほしい。



早く、貴方の笑顔が見たいよ