ヴエノマスと云ふのの本質は、傷の中にそれを導くと蝮の毒のやうな風にそれが害の原因になるものなのだ。ポイゾナスの本質は、それが胃袋の中にはいれば死の原因になるかも知れないやうなのだ。劇薬はポイゾナスの方だから、もしそれを飲めば殺される。蝮の牙から流し出される液と蠍の螫はヴエノマスの方だから、それが血に混れば殺される。だが、それは飲んで殺される方の毒ではない。だからそれは平気で呑む事が出来る。それは蕁麻の毒と同じだ。アムブロアジヌお婆あさんは、蕁麻を刈つて家畜に食べさせるし、そしてヴアネスサの幼虫は何の危険もなしにその上にゐて、その葉を食べてゐる。その草はついさつきエミルを痛いので泣かせたんだがね。刺されて毒のある植物は、フランスでは蕁麻だけだ。だが、食べれば病気になつたり死にさへもする毒の植物は沢山ある。私は何時かお前達にその毒草の事をしつかりと教へなくちやならない。そんな毒に害されないやうにね。
『蕁麻の刺毛は私に毛虫の毛を思ひ出させる。幼虫の多くはむき出しの皮膚を持つてゐる。それは全く害のない奴だ。