硫黄島の水不足が深刻化している。


駐留している海上自衛隊の貯水池は4分の1ほどしかない、


10月にはなくなる恐れもあるという。


自衛隊は一部の隊員を引き揚げさせ、訓練も制限している。


菅政権が今年度から本格的に始めようとしていた


戦没者の遺骨収集も中止の可能性が出てきた。


 気象庁によると、太平洋高気圧に覆われる日が多かったため


硫黄島の今年1~6月の降水量は例年の約40%。5、6月は約25%と特に少なかったという。

 約8万トン入る自衛隊の貯水池の水は7月末に2万トン余まで減少。


7月は台風などでわずかに持ち直したものの、このままのペースで推移すれば


10月には完全に渇水すると予想されている。


 硫黄島での遺骨収集は菅直人首相が力を入れている事業で、


今年度は米国立公文書館で昨年見つかった硫黄島の集団埋葬地を記した


米軍作製の地図をもとに調べる予定。


厚生労働省の職員らを島に常駐させるほか、8月末から1週間余の日程で


遺族会の会員やボランティアら約50人を派遣し、本格的に進める計画になっている。

 厚労省の担当者は「このまま水不足が続けば、中止せざるを得ない」と話す。