春の天皇賞、3200メートルの長丁場にも「折り合いは問題なかった」と


藤田騎手。内ラチ沿いの好位で脚をため、最後の直線で先頭に立つと、


同期のダービー馬エイシンフラッシュの追撃を半馬身かわして栄冠に輝いた。


デビュー当時から全戦で手綱を取る藤田は「残念な競馬が続いていたので、


GI馬にできてうれしい」と自らの天皇賞初制覇を差し置いて喜んだ。


 昨年のクラシック戦線では、皐月賞の2着が最高。


「堅実だが詰めが甘い」という欠点で1年以上も勝利から遠ざかり、


前走の産経大阪杯で嬉しい重賞初制覇。


その勢いをかって、4度目のGI挑戦で初のビッグタイトルを獲得した。


「迫力が出た」と変身ぶりを感じていた昆調教師は


「(4歳のライバルに)ようやく肩を並べられた」と感慨深げだ。


 最強世代と呼ばれる4歳牡馬の中で、


脇役に甘んじてきたヒルノダムールがようやく主役に躍り出た。


 同じ厩舎(きゅうしゃ)のダービー馬ディープスカイが果たせなかった


世界最高峰レースといわれる凱旋門賞(GI)に挑戦するプランが浮上する。


今回は不出走だった同世代で、日本馬として初めてドバイワールドカップ(GI)を


勝ったヴィクトワールピサに続き、今後は世界を視野に入れて戦っていくことになりそうだ。