戦前、戦後を通じ女性の権利のために闘った山川菊栄さんと市川房枝さんの


足跡をたどるドキュメンタリー映像が相次いで紹介されている。


社会進出は進んだが、今も理不尽な差別を受ける女性が少なくない中、2人の言葉は力強いという。


市川房枝さん(1893~1981)は今年が没後30年で、


記録映画「八十七歳の青春」がDVDとして発売された。


 市川さんは愛知県の貧農に生まれ、父親はよく母親を殴った。


「女に生まれたのが因果だから」とあきらめ顔で話す母の姿が、


運動の原点だったとされる。


戦前から女性の参政権運動にかかわり、戦後は参院議員を5期務め、


政治とカネの問題などを追及した。


 映画は市川さんが亡くなる直前に撮影され、


当時全国371カ所の自主上映で、観客動員20万人を記録した。


「男女同資格が理想。良妻賢母なんて!」「出たい人より出したい人こそ、


選挙に出るべきだ」--。


今も家事や育児のため仕事をあきらめる女性は多く、


市川さんの訴えは心に響くという。


 桜映画社代表の花崎哲さんは「市川さんは人権、


平和、クリーンな政治、参政権の意味を問い続けてきました。


これらは今も大きな問題として私たちの生活の中にあります」と語った。


DVDは5250円。