東日本大震災で震度5弱だった東京・新宿の超高層ビル(54階建て、


高さ223メートル)が「長周期地震動」を受け、国の耐震基準の


約13倍の約13分間にわたって揺らされ続けたことが大成建設の調査でわかった。


最上階では1メートルを超える横揺れが続いたという。


 60メートル以上の超高層ビルは国の耐震基準に基づき、


震度にかかわらず1分以上の揺れを想定した強度を義務づけられていて、


近年、ビルを揺らす長周期地震動の研究が進んだため、


国土交通省は今年度前半から、東京・大阪・名古屋の3大都市圏の


新しいビルには約8分間の揺れを想定するよう基準を強める予定だったという。


 だが、今回の震災を受けて再検討する方針を固め、制震装置などを入れ、


より揺れにくくするような設計を求めるとみられる。


 今回、長周期地震動を観測したのは「新宿センタービル」(1979年建築)。


 大成建設によると、3月11日の震災時にビルの所在地では約13分間の揺れを観測したという。


東大地震研究所は関東平野では6分以上の揺れを観測したとしており、


かなり長く揺れた可能性があると見ている。


 ビルはさらに大きく揺れた。観測によると、地震発生から徐々に揺れ始め、


約2分後には長周期地震動が到達し、建物が横に大きくしなり始めた。


約6分後にピークとなり、最上階は3秒間に108センチ、


高さ約100メートルの28階は3秒間に52センチ動く横揺れがしばらく続いた。


その後少しずつ収まったという。