来日中の東南アジア諸国連合のスリン事務局長が18日、


朝日新聞記者と会見し、ミャンマー(ビルマ)政府が2014年にASEANの議長国を務めたいと伝えてきた。

 ミャンマーは06年に議長国になる予定だったが、民主化の停滞を批判する欧米諸国に


配慮した他の加盟国に促され、辞退していた。


 ミャンマー政府は昨年の総選挙を経て、軍事政権からの「民政移管」を


果たしたとしており、15年のASEAN統合より前に議長国を務めることで、


国際舞台に復帰し、政権の正統性を内外に示したい考えとみられる。

 スリン氏は「他の加盟国の首脳が決めることになるが、


東アジアサミット参加国の意向も尊重されるだろう」と話した。


 軍出身者がほとんどを占めるミャンマーの新政権に対し、


スリン氏は「民主化の実質的な進展を望む」とし、欧米の経済制裁については


「政府より、国民生活を苦しめている」と早期の解除を求めた。


 また、カンボジアとの国境紛争を抱えるタイが、ASEAN議長国インドネシアの


監視団を受け入れていない現状について、スリン氏は


「タイの政府より、軍などに躊躇(ちゅうちょ)する勢力がいる。


近く予定されている総選挙後の動きを見守りたい」と期待を示した。


 東日本大震災の犠牲者・被災者に対しては「ASEANを代表して深い哀悼の意を表する。


できる協力は何でもしたい」と話した。友人らと集めた


1万ドル(約83万円)を日本財団を通じて被災地支援に寄付した。