東京電力は5日、福島第1原発事故で、2号機取水口付近の


コンクリート製立て坑「ピット」や管路の下にある石層から放射能汚染水が


海に流出していると言う事で、硬化剤の水ガラスを注入して固める作業の準備に入った模様。


石の隙間を埋めることで汚染水の染み出しを防ぐ狙いがあるという。


 東電は4日夜、集中廃棄物処理施設内などで貯蔵している低レベル汚染水の放出を開始した。


5日以降も継続し、数日間で約1万1500トンを放出する。


水の放射能濃度は国が定める限度の最大約1000倍。


東電は「健康に問題はない」としているが、今後のサンプリング調査の結果によっては、


厳しい批判が起きそうだ。


 東電によると、ピット周辺では、高濃度の放射能汚染水の海への流出がいまだに続いており、


同社は水が流れる経路の特定に着手。


ピット上流には、電線管が通る管路や電源ケーブル用トンネルなどがあり、


汚染水はこれらを通ることが判明したと伝えた。


 東電がさらに調べた結果、同トンネルには、地震でできたとみられるひび割れなどの


損傷がある可能性が高いことが分かった。


水はそこを経由してピットや管路の下にある石層を通り、海に流れたと考えられる。


 この石層は厚さ約20センチの「砕石層」と呼ばれるもので、


ピットや管路を安定させるために建設時に敷き詰められたもので、


石がばらばらにある状態で、この隙間を水が通ったという。


 東電は、下にある石層の周囲に機械で穴を掘り、ピンポイントで水ガラスを注入し、


石を固める作戦だ。


同作業と並行し、ピットから水が流出する部分に鉄の板を押し当て、


流水をせき止めることも試みるという。