ROCK AND READ 12―読むロックマガジン (12)
レビュー4つめ。

CDレビューとは違うけど
宮脇氏が載っていた本の感想でも。



何故生まれたの?


僕は孤独の向こう側できっと苦悩している


いつか母は僕を愛してくれるだろう


僕を愛して欲しい 僕を抱きしめて


夜の雨音 眠る奥の寝室


目を閉じて 夢にまで見た場所で


どうして心に鍵を掛けたの?


無機質に冷え込んだこの部屋


精神剥奪された少年の無意識は宙に舞い泳ぐ


その狂気は小さな粒子となってふわふわと 浮かんでた


街の路頭に迷い 不安定な足取り


この僕が いつか 孤独を殺し 殻に閉じ龍る前に


この願い届け 闇夜を暴け 世界に降り注げ





読んでいる途中で
頭の中では[depression sign]の曲がぐるぐるしていた。
何だこのマッチ具合は。マッチしすぎるんですが。
普段、歌詞なんて頭に残ってないワタシですら
ポンポンと出てくるほど見覚えのある過去。



インタビューでよく
「人を愛するのが怖い、出来ない」
「本気の恋愛をしたことがない」
みたいなことを言ってて
何が彼をそこまで人間不信にしたのかが微妙に気になってはいたけど
読んでなんとなく分かるような気がしました。



いやね、同情されたくないのはもっともだけど
さすがに同情してまうよこれは。
「離婚はお前が決めろ」なんてきついわー。
自分の中ではまったく想像が付かない環境です。



こんな過去を経て今の宮脇渉があるとしたら
それは幸か不幸なのかは分からないけど
多分12012というバンドとその音が好きだというファンの存在が
今の渉にとって唯一よかったと思えることなんじゃないだろうか。
少年の人間像は渉の創造や実体験の部分もあるけど
こうありたかったという希望も含まれているのかもしれない。



もう一度歌詞を読み直したくなるインタビューでしたな。