すごくどうでもいい事だけどさ


ガキの頃、我が家共働きで

てかすぐ親父夭逝して片親でさ

何ていうんだろ、預けられてたのよね、俺

何つったっけな、忘れちまった


そういう、子供達が預けられる場所

とにかくそこに居て

20人くらいの子供達が一緒に

学校終えてから親が迎えに来るまで遊ぶの


頭のイカれた奴ばっかりでさ

開けた広場みたいな所に行くといつもウンコ落ちてた

誰かが野糞してるんだけどさ

しょっちゅうパンツも落ちてんだけどさ


イカれたガキ共の中で、叡智の子たる俺はさ

知的探究心に突き動かされるまま

拾った釜の中にウンコを入れる

このまま1ヶ月2ヶ月1年2年経ったらどうなるんだろうか

蓋を閉めて、広場の隅っこに隠しておく


その後、一度も見た事は無い、忘れてた


と、今思い出した

たまに思い出すんだけどね

あの時のアレはどうなったんだろうな

思いを馳せるわけだ




と、いう前置きを経て、さて本題


イカれた連中共とは毎日遊んでいた

俺は一番年下だったんだけど

兄ちゃんらは本当にイカれ過ぎてて、俺は正直引いていた


ある日

幾つか上の兄ちゃんが言った

「ヨシオに小便飲ませんべ」

(こ、こいつは何を言っているんだ・・・)

が、周りの兄ちゃんは水を得た魚の如く

いや、陸に上げられた魚の如く、飛び跳ねる

(何が面白くてこんなハシャいでいるんだ)


作戦はこうだ

今日、ヨシオは算盤教室に行っている

道端に小便を入れたペットボトルを設置

ペットボトルを見つけたヨシオはそれを飲む

オレタチ大笑い・以上。


もうな、どこから突っ込めばいいのかもわからない

時間は夜7時

ド田舎の地元にゃ街灯なんて無い

道の脇に茂る竹薮、夜は怖い道

真っ暗闇の中道端に転がるペットボトル

てか根本的にそれを拾うか?飲むか?

アリエナイ


僕が8歳の頭脳をフル回転させている最中

兄ちゃん達は着々と準備を進めている

と言っても

1.空のペットボトル拾ってくる

2.中に小便をする

3.道端に投げとく

これで終り、既に竹薮の裏に隠れていた


ナンセンス


しょうがないから竹薮の裏に行く

予定の時間までまだ2時間以上ある

兄ちゃん達はいつも通りゲラゲラ笑っている

いつも近道に通る牧場の馬糞を避ける方法とか

今度作る秘密基地の内装について議論


この作戦の欠陥を言う余地は無さそうだ


俺にとってはまるで意味の無い時間が経過し

予定時刻を回る

ヨシオは来ない

ほらな、夜のこの道は怖いんだ

きっと別の道を通ったんだ


兄ちゃん達は動かない

ずっと笑ってる


もう無理だ、ヨシオは来ない

よしんば来たとしてもアレを飲むとは思えない


兄ちゃん達に進言

が、皆不思議そうな顔で僕を見返す

何で?来るに決まってんじゃん?飲むに決まってんじゃん?

そんな顔

わかったよ、もう今夜は徹夜覚悟だ


更に時間は経過、もう眠くなったきた、そんな時だ

「しっ!!ヨシオ来た!!!」

!?

腕時計なんて持ってない!

けどもう大分遅い時間だというのはわかる

寄り道でもしたのかヨシオは一人リズミカルに歩いて来る

心臓がバクバク震える

まさか、飲むわけが無い

というかボトルに気付くわけが無い


荒ぶる兄ちゃんらの息遣い

ヨシオはペットボトルに近付く


・・・何も言わず、何でも無いように

家に帰って来てとりあえずテレビのリモコンを拾うように

ペットボトルを拾い上げる


冷蔵庫から取り出したそれを開けるように

キャップをくるくる外す


お、おいおいおい


ガブガブ飲んでいるわけで


「ぶーーーーっ!!!げらげらげら」

それはもう肉を前にした餓鬼の如くに躍り出る兄ちゃんら

「ヨーシオーがしょんべん飲んだぁ~♪」


味では気付けなかったのか

言われてからボトルを見直すヨシオ

顔をクシャクシャに歪ませ

兄ちゃんらに向かってその中身をブチ撒ける

「うわーきったねーっ!」

ゲラッゲラ笑いながら飛び跳ねる糞餓鬼共


この時、初めて思った

すげえ面白いな

もう、何か、人生ってすげえおもしれえな


以来、私作戦参謀となりました


あいつら、元気してんのかなぁ・・・




後記

長い!

ナガス!!!とか言うの!?